【インタビュー】がらり
2026/7/15(水)

“この曲、こんないいところもあるんですよ”
みたいなプレゼンをしたい
2022年に音楽活動をスタートさせたシンガーソングライター、がらり。あらゆるジャンルを咀嚼、昇華し、楽曲ごとに『がらり』とスタイルを変える音楽性が耳の早い音楽ファンから注目を集める中、1月リリースの2ndアルバム「コントラスト」は大きな反響を呼んだ。
「がらりと曲ごとに曲調が変わりますよと標榜しつつ、自分の核はメロディラインやコード、歌詞の言葉にあると思っていて。その核の部分を『コントラスト』と、その前の『手のひら望遠鏡』(2024年リリースの1stアルバム)という2作でしっかり主張できたような気がします」
6月には待望のメジャーデビューを果たしたがらり。その第1弾作品となるのが1stEPの「螺旋の街」だ。
「メジャーデビューを果たしたことで、あらためて襟を正すと言いますか。メジャーの名に恥じない価値のあるものを作ろうということを、今回はすごく意識しましたね。収録される5曲すべて、シングルカットしても差し支えないほどの仕上がりになったと思いますし、いろんな人にとってのポピュラリティに寄り添う、分かりやすいEPになったと思います」
様々なシーンで誰しもが感じ得る鮮烈な感情をあらゆるサウンドで包み込んだ楽曲群は、EPというパッケージとしてひとつの大きな物語を描き出す。そんな表現スタイルも、がらりの大きな魅力と言える。
「EPを通して聴いたときに、たとえば小説の短編集のような読後感であったり、映画を観終えたときのような心の動きがあればいいなと思うんです。その満足感を生み出すために、1曲ごとの密度や適切な曲順というのは強く意識して作っていますね。その中で今回は突き抜けたポップさをもつ『春を盗んで』や、1990年代後半の時代にさかのぼった雰囲気をもつ『箱庭ダンス』のように、今まで出していなかった部分を探りながら作った曲があったりもします」
リード曲となるのは、都会の生活の中で自らの存在意義を見失ってしまう状況を女性目線で紡いだ「レンズ」。そこにある葛藤や嫉妬といった感情は、きっと多くの人の心を揺さぶることになるだろう。
「今の時代がもつ行き詰まり感、シュリンク感みたいな雰囲気によって、厳しい精神状態になってしまっている人はすごく多いと思うんです。なので、自分自身が実際に感じていることも大いに反映させながら、リアルな思いを書いてみました。タイトルに用いた『レンズ』という言葉も含め、聴く人ごと、いろんな意味に受け取ってもらえるんじゃないかなと思います」
活動スタートから約4年。急速に認知度を拡大させる好状況の中、ついに初めてのワンマンライブ『がらり 1st ONEMAN LIVE "SPIRAL"』の開催も決定した。12月11日、東京・渋谷WWW。記念すべき一夜をぜひ目撃してほしい。
「僕自身のことを見てもらうのはもちろん、楽曲を紹介する場としてライブをとらえているところが自分にはあって。“この曲、こんないいところもあるんですよ”みたいなプレゼンをしたいなと思っていますね。個人的には、音源のアレンジをぶっ壊すことで新たな魅力が生まれるパターンが好きなので、曲によってはそういうおもしろさも感じてもらえたらなと。同時に、アルバムやEPのように1本のライブを通して物語を感じてもらえる内容にしたい思いもあります。最新EPの5曲を重要な軸としつつ、これまでのいろいろな曲を絡めていくことで、より重厚な『螺旋』を生み出し、見に来てくださった方を巻き込んでいきたいです。ワクワクしながら遊びにきてください」
プロフィール
がらり
'22年より活動を開始し、ジャケットアートワーク・Music Video・SNSコンテンツなどほぼすべてのクリエイティブ制作を自身で手がけるシンガーソングライターとして活動。曲ごとに『がらり』と作風を変えながら、文学的な歌詞を生々しい歌声に乗せる。
公演情報
がらり 1st ONEMAN LIVE "SPIRAL"
- 12/11(金) 19:00 東京・Shibuya WWW
インタビュー・文/もりひでゆき
Photo/篠塚ようこ
構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載