【インタビュー】クレイジーケンバンド
デビュー20周年を記念したスペシャルライブを開催!
東洋一のサウンドマシーンこと、ソウルフルな音楽で聴く者すべての心を揺らし続けるクレイジーケンバンド(以下、CKB)。昨年9月には結成20周年を記念したスペシャルライブを横浜赤レンガ野外特設ステージで開催し、世代を超えたアーティストとのコラボや結成当時の貴重なライブ映像をスクリーンに映し出す等、格別な内容で各地から駆けつけたファンを魅了したことも記憶に新しい。フロントマンである横山剣としてもいい感触を手にしたようだ。
「野外だから雨なんか降ったら最悪だなぁ……なんて想像してたら、本当に当日の朝、降ってたから「あ~あ、ダメだこりゃ」なんて思ってたんですよ。ところが、開場するちょっと前ぐらいから嘘のような晴天になってね。もう、それだけで成功を確信したよ」
昨年は“攻めのスタンス”を掲げていたが、デビュー20周年となる今年のテーマは“24時間営業”。その閃きも粋なCKBらしい着眼点から始まっている。
「CKBは常に現在進行形であることを最重視してるんですが、20年もやってると消去したはずの残像みたいなものが蜃気楼みたいにチラチラしちゃうんですよ。それは欠点であると同時に味でもあるんじゃないかと。そのことに気づかせてくれたのがハワイの24時間営業の焼肉屋なんですよ。朝に行っても夜が続いてる。夜を消去する間もなく朝が来て、そこから容赦なく未来に進んでっちゃう支離滅裂感、版ズレの色気、そんなことを思いまして今年のテーマを“24時間営業”としました」
精力的な動きのひとつとして、まずは5月から新曲を配信限定で3ヶ月連続でリリース。その第1弾となった「そうるとれいん」は日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」のエンディングテーマとしてもオンエアされているが、「一聴してのインパクトよりも、漢方みたく後からジワジワ効いてくるタイプ」と横山自身が語るように、温もりに満ち溢れた名曲だ。続いて配信される新曲も待ち遠しい。
「6月に配信するのは「山鳩ワルツ」という曲で、山鳩の「クークーポッポー」って鳴き声からヒントを得て生まれたちょっとジャジーかつ和な感じの曲です。その後もニュー・アルバムのタイトル曲で、今年のテーマである“24時間営業”をイメージしたレッドホットなファンキー・チューンの配信も予定しているよ」
こういった新曲が届けられると、ファンのみならずとも期待するのがフルアルバム。ボリューム感たっぷりの充実した作品になるようだ。
「今年は11曲ぐらいに絞ってタイトにしようと考えていたのに、いざ蓋を開けてみたら30曲ぐらいイイのが出来ちゃって、絞りに絞って17曲。それプラス、インタールード3曲で合計20曲です。20はブタだから縁起のいい21にしたかったんですが、20周年にこじつけてそうしました」
また、「アルバムという録音物でひとつの節目を迎えますが、本当の意味の完成形を実演で追求していくという想いがあります」という横山の言葉からもわかるように、CKBといえば生粋のライブバンド。8月からは「CRAZY KEN BAND TOUR 2018 GOING TO A GO-GO」がスタートするが、そのツアーの真っ只中、9/24(月・休)に横浜アリーナにて「クレイジーケンバンドデビュー20周年記念スペシャルライブ」が開催されることが決定した。
「ライブハウスと変わらないワイルドでラフでタフなライブをアリーナのサイズとダイナミズムでやるということに意義があると思うので、あんまり派手な演出をするつもりはありません。でもダンサーは入れたいな。会場がビッグなのはとても素晴らしいのですが、そこで一番ネックになるのが音響の問題。「お祭りだから」なんて言い訳はダサいので、可能な限りイイ音でやれるよう工夫したいと思います。自分も含めメンバーが無心でイイ音を出してる瞬間こそ、最高のパフォーマンスになってると思いますので、そんな瞬間をいっぱい引き出せたら最高です」
結成20周年ライブの際、「これからまたルーキーに戻った気分でチンピラかまします」と横山がステージ上から宣言したように、今年もアクセル全開で邁進するCKB。意欲は衰えることを知らず、どこまでも頼もしい。
「僕らは“グッと来る音楽をやる”というのが目的で、それを追求してるうちに20年も経ってしまいました。まだまだ達成感はありませんが、だからこそ現役でいられるのかも知れません。そんな僕らを支持してくれる人たちへの恩返しは“グッと来る音楽をやり続ける”ということだと思ってます」
プロフィール
クレイジーケンバンド
'97年に横浜にて結成。ゴキゲンでソウルフルな音楽性から東洋一のサウンド・マシーンとして名高い。今年、デビュー20周年を迎える。
公演情報
クレイジーケンバンドデビュー20周年記念スペシャルライブ
9/24(月・休)17:00 神奈川・横浜アリーナ
CRAZY KEN BAND TOUR 2018 GOING TO A GO-GO Presented by NISHIHARA SHOKAI
8/25(土)17:00 東京・福生市民会館(もくせいホール)
9/1(土)17:00 山形・酒田希望ホール
9/8(土)17:00 北海道・釧路市民文化会館 大ホール
9/9(日)17:00 北海道・札幌市教育文化会館 大ホール
9/14(金)18:30 NHK大阪ホール
10/7(日)17:00 愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)
10/8(月・祝)17:00 福岡国際会議場 メインホール
10/10(水)18:30 宮崎・メディキット県民文化センター演劇ホール
10/13(土)17:00 高知県立県民文化ホールグリーンホール
10/19(金)18:30 岡山・倉敷市芸文館
10/20(土)17:00 京都劇場
10/27(土)17:00 福島・白河文化交流館コミネス
10/28(日)17:00 宮城・仙台電力ホール
11/1(木)18:30 山口・防府市公会堂
11/2(金)18:30 鹿児島市民文化ホール 第2
11/9(金)18:30 愛知・幸田町民会館
11/10(土)17:00 東京・中野サンプラザ
11/15(木)18:30 富山県教育文化会館
11/17(土)17:00 石川・北國新聞赤羽ホール
11/23(金・祝)17:00 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
11/25(日)17:00 沖縄・ナムラホール
インタビュー・文/ヤコウリュウジ
構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載