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【インタビュー】大平健介|オルガン名曲決定版 2026

【インタビュー】大平健介|オルガン名曲決定版 2026

【インタビュー】大平健介

「ザ・シンフォニーホールからオファーをいただき、オール・バッハに取り組もうと考えました」

名オルガ二ストがオルガン曲の魅力を余すことなく届ける『オルガン名曲決定版』。5月の本シリーズには、2016年ニュルンベルク国際オルガンコンクール優勝以降、多彩な活躍を続ける大平健介が出演。今回ザ・シンフォニーホール初登場ということもあり、期待が高まります。

――長らくドイツの教会で活動されてきた大平健介さんが日本に拠点を移されて、5年になると伺っています。

日本に帰国した当時は世界的にもコロナ禍でしたので、環境が落ち着くのに時間がかかりました。最近は様々な土地、函館や札幌、松山なども訪れることができ、多彩なオルガンに触れて、それぞれの土地、そこでしかない響きに出会えました。ドイツで過ごしていた頃のように、日本でもまた「旅するオルガニスト」を実践できているように感じています。

◆日独で異なるオルガニストの活動

――ドイツと日本とでオルガニストとしての活動の仕方に違いはありますか

僕の場合はドイツで演奏する際、活動の8割が教会、残りがコンサートホールであったように思いますが、日本のオルガン演奏活動の場は大きく3つに分けられると思います。コンサートホール、それからオルガンを備えた学院、青山学院などですね。あとは教会です。僕は教会音楽をドイツで学び、実際に教会で活動してきたので、日本のオルガニストとしてはちょっと特殊かと思います。帰国後、アンサンブル室町の音楽監督の仕事に加えて、渋谷の聖ヶ丘教会の首席オルガニストをつとめていますが、教会で弾きつつ、各地のコンサートホール、様々な学院での演奏の機会にも恵まれています。

――今回がザ・シンフォニーホールでのリサイタル・デビューになりますが、ホールそしてオルガンの印象はいかがですか

今回伺うのが初めてですけども、ザ・シンフォニーホールは挑戦的なコンサートを開催している際立った存在だと思います。これまでにない角度で、新鮮な企画を実践しているのは面白いことではないでしょうか。ザ・シンフォニーホールのオルガンはディスポジションを見ても録音を聴いていても非常にわくわくする楽器なので、プログラミングを考えるときから、楽器には全幅の信頼を置いていました。ホールのオルガンとまずは向き合って、その楽器からどういったものが引き出されるかをすごく楽しみにしています。

◆満を持して開催! 大平健介が描き出すバッハの世界

――今回のプログラムはオール・バッハですね

実は海外ではオール・バッハはむしろ特殊で、《トッカータとフーガ》のような日本でおなじみの曲もあまり弾かれません。僕はバッハが大好きですし、オルガニストはバッハをもっともふさわしい形で演奏できるのでとても幸運だと考えています。ただ日本では以前からバッハ演奏が多すぎるように感じていましたので、ここ数年はあえて他のレパートリーに取り組んでいました。いつの日かじっくりとバッハへ向き合える機会を待っていたところ、ザ・シンフォニーホールからオファーをいただき、節目の40歳になったこともあり、オール・バッハに取り組もうと考えました。

――プログラムにはご自身の編曲による《主よ人の望みと喜びを》、さらに美しいコラール前奏曲も含まれていますね

《主よ~》はオーソドックスな編曲で弾きます。オルガン譜は作らずにスコアを置いて演奏する予定です。原曲は有名なカンタータなので、自然に聴いていただけるかと思います。またコラール前奏曲を4曲弾きますが、「祝福を浴びるように」聴いていただきたいですね。讃美歌の旋律をもとにしており、降り注ぐような音色もあれば、寄り添うようなまるで自分の隣の席に座って肩を抱いてくれるような音色もありますし、トランペットやティンパニーが鳴って鼓舞するような響きもあります。人間としての喜びを取り戻せるような福音に満ちた作品ですね。それから最後の《前奏曲とフーガ》は魂を包み込んでくれるような三位一体を現す変ホ長調(♭三つ)で書かれています。《トリオ》は、オルガニストひとりで室内楽を奏でるようなスタイルで、レジストレーションにもぜひご注目ください。

――大平さんのリサイタルを楽しみにしているファンのみなさんに、メッセージをお願いします

オルガンは建物と一体となった土着性が強い楽器です。持ち運びできないので、音色の魅力はその土地とは切り離せないんですよ。オルガンはホールに満員のお客様がいてこそ、壮麗に鳴る楽器なのです。大阪の皆様とご一緒に最高の響きを共有し、素晴らしい出会いになれば嬉しく思います。


取材・文/伊藤制子

掲載開始日/2026年5月2日


「オルガン名曲決定版 2026」公演情報│ローチケ[ローソンチケット]

【インタビュー】大平健介|オルガン名曲決定版 2026
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