クラシック

【インタビュー】三浦一馬×浅野祥×曽根麻央│三浦一馬・浅野祥・曽根麻央(with KAN) 鼓武士トリオ 公演

三浦一馬×浅野祥×曽根麻央 ©Tomoko Hidaki

【インタビュー】三浦一馬×浅野祥×曽根麻央

バンドネオン、三味線、ジャズピアノ。異なるルーツを持つ3人の演奏家による、唯一無二のプロジェクトがスタート。三浦一馬(バンドネオン)、浅野祥(三味線・歌)、曽根麻央(ピアノ・トランペット)による、鼓武士トリオ。その起点になったのは、浅野と曽根が“MAOSHO”として行った昨年のニューヨーク公演だったという。


曽根 ニューヨークは音楽に厳しい街だと思いますが、MAOSHOの公演ではスタンディングオベーションをいただいて。日本の伝統的な音楽とジャズ、ラテンなどを融合させることの意義を再認識したんです。そのときは三味線とピアノの編成だったのですが、そこにヨーロッパの楽器であるバンドネオンを加えたら何が起きるか?それが鼓武士トリオの出発点ですね。


民謡に代表される日本の伝統音楽に根ざした三味線、アメリカ発のジャズに欠かせないピアノ、ヨーロッパに起源を持つバンドネオン。この3つの楽器によるトリオはおそらく世界初だ。この唯一無二の編成が実現した背景には、彼らの“音楽のジャンルを超えたい”という強い意志がある。

浅野 津軽三味線の本筋のところでもしっかり腕を磨きつつ、世界中の様々なジャンルの音楽家と一緒に奏でたいという思いはずっとあります。そのためにいろいろな音楽の勉強もしてきましたし、クラシックやジャズ、ラテンのミュージシャンと共演させてもらうことで、それまでは思い浮かばなかった指の動かし方、フレージングに気づくこともあって。それを“津軽じょんから節”に取り入れたり、得るものは本当に多いですね。

三浦 三味線とバンドネオンは歴史や成り立ちがまったく違いますが、楽器をコミュニケーションツールとして捉え、いろいろなジャンルの音楽家と関わることに喜びを感じるというのは私もまったく一緒です。伝統的な音楽だけを極めることも素晴らしいし、外に出ていくことにも大きな意味がある。それはもう“人による”としか言いようがないし、私自身はとことん外の世界に興味がある人間なんですよね。

曽根 10代でバークリー音楽大学に入ったときに、イスラエル、キューバ、プエルトリコなど、いろいろなルーツを持って留学してきた人たちに出会って。彼らとの交流のなかで様々な国の音楽を勉強し、取り入れてきたんです。そのうえで“自分に何ができるのか?”と考えたときに、やはり日本の伝統音楽に向き合うべきだろうと。僕の祖母も三味線を弾く人で、子どもの頃からあの音色を聴きながら育って。自分のなかにも自然と存在している音だし、その感覚は鼓武士トリオの音楽にも反映されているかもしれないです。


2026年4月17日(金)に東京・浜離宮朝日ホールで開催される鼓武士トリオの初公演には、パーカッションのKanも参加。現代タンゴの名曲「リベルタンゴ」(アストル・ピアソラ)、スタンダードナンバー「My Favorite Things」(ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」より)、江戸時代から庶民に親しまれてきた盆踊り唄「八木節」から曽根のオリジナル曲(《8つの小品より》「ルンバ」、「HIBIKI」など)まで、国境や時代を超えた楽曲が演奏される予定だ。

三浦 3人それぞれのバックグラウンド、これまでに通ってきた道を感じてもらえる楽曲を持ち寄りつつ、“3人が集まったらどんな音楽が生まれるのか?”も楽しんでいただきたい。そんなテーマで選曲しました。

浅野 楽曲ごとにリード楽器が変わって、そのたびに舞台の景色が変化していく。それはこの3人だからこそ実現できることなのかなと。僕自身はバンドネオン奏者と一緒に演奏するのが初めて。三味線の音色とどう重なるのか、個人的にもすごく楽しみです。

曽根 MAOSHOでの演奏、三浦さんとご一緒したラテンタンゴ(曽根麻央 meets 三浦一馬 Latin×Tango)でもアレンジャーの役割を担うことが多くて。浅野さん、三浦さんの良さを最大限に引き出せるように注力したいと思っています。お二人からもヒアリングしつつ、鼓武士としての道筋が少しずつ見えてきたところですね。


将来的にはアメリカ、ヨーロッパでの公演も視野に入れているという彼ら。バンドネオン、三味線、ピアノが響き合う鼓武士トリオの初公演を、ぜひ体感してほしいと思う。

三浦 鼓武士の公演は我々にとっても初めて。お客さまにはぜひ、その記念すべき公演を目撃してほしいなと思います。

曽根 三味線、ピアノ、バンドネオンが合わさって作られる音楽の世界をぜひ、生で味わってほしいです。

浅野 今後、世界中で演奏するであろう鼓武士の第一歩。僕自身もとても楽しみですし、会場でしか味わえない生楽器同士の音の鼓動を体感してほしいですね。


取材・文/森朋之

掲載開始日:2026年3月13日


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三浦一馬×浅野祥×曽根麻央 ©Tomoko Hidaki
【インタビュー】三浦一馬×浅野祥×曽根麻央│三浦一馬・浅野祥・曽根麻央(with KAN) 鼓武士トリオ 公演