小澤征爾 コメント
20回目となる今回の小澤征爾音楽塾では歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」を取り上げます。“コジ”は1969年、僕が初めて振ったオペラです。ザルツブルグで、カラヤン先生に突然「征爾、“コジ”を振ったらいい」と言われて指揮をしました。オペラのあまりの面白さにのめり込むきっかけになりましたし、一流の歌手や演出家と作品をつくることがいかに勉強になるか、音楽家として思い知った作品です。ロームの故佐藤研一郎さんも大好きな作品をまた取り上げることができて嬉しいです。小澤征爾音楽塾ではサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)のメンバーである先生たちの知恵と経験を活かした指導とともに、首席指揮者のディエゴ・マテウスがピットに入った若い音楽家たちをリードして、世界第一線で活躍するソリストと演出家と、高水準のオペラをつくります。「セイジが日本で、すごいことをやっているよ!」と、よくいろんな歌手たちが自国に帰って話していると聞きました。オペラのリハーサルは試行錯誤の連続で、公演も含めて、その過程すべてがとても貴重な教育の機会でもあります。それは若い音楽家にとって他では得難い経験となり、かならず、その人の音楽家としてのベースとなってゆきます。
舞台の上には世界一流の歌手と演出を揃え、オーケストラピットには優秀な若手音楽家たち。このような組み合わせで出来上がってゆくオペラ公演は、小澤征爾音楽塾だけです。
これから世界へ羽ばたいてゆく若い音楽家たちを応援しながら、とくべつなオペラ公演を楽しんでもらえたら、僕はほんとうに嬉しいです。
このようなすばらしい環境を可能にしてくれるローム ミュージック ファンデーションの支援に、あらためて、こころから感謝いたします。
小澤征爾音楽塾塾長・音楽監督
小澤征爾
音楽監督
小澤征爾
指揮
ディエゴ・マテウス
演出
デイヴィッド・ニース
装置・衣裳
ロバート・パージオーラ
照明
高木正人
合唱
小澤征爾音楽塾合唱団
管弦楽
小澤征爾音楽塾オーケストラ
出演
フィオルディリージ:サマンサ・クラーク
ドラベッラ:リハブ・シャイエブ
フェランド:ルネ・バルベラ
グリエルモ:アレッシオ・アルドゥイーニ
デスピーナ:バルバラ・フリットリ
ドン・アルフォンソ:ロッド・ギルフリー
演目詳細
[全2幕] <原語(イタリア語)上演/字幕付>
2024年 公演スケジュール
公演日 |
会場 |
3/15(金)、3/17(日) |
京都・ロームシアター京都 メインホール |
3/20(水・祝) |
神奈川・神奈川県民ホール 大ホール |
3/23(土) |
東京・東京文化会館 大ホール |