演劇
シブヤから遠く離れて

シブヤから遠く離れて
撮影:細野晋司

チケット情報

シアターコクーン・オンレパートリー2016『シブヤから遠く離れて』

現実と虚構の狭間を生きる、孤独な魂たち。観客の心を揺さぶる、ミステリアスなラブストーリー。

蜷川幸雄に書下ろした伝説の戯曲を岩松了自身の演出で上演決定!!

 

 

≪あらすじ≫

このドラマは、この邸宅に思いを残す青年と、この建物さながら蝕まれてゆくわが身をもてあます女の、現前化しない愛の物語…。

 

渋谷南平台あたりの住宅地の一角に、ボストンバックをひとつ提げた青年ナオヤがどこからか姿を現す。

やってきたのは、かつて遊んだ友達ケンイチの家だ。

しかし、そこは真っ黒にひからびたひまわりに覆われすっかり廃墟と化していた。

人が住むには荒れすぎてしまっていたが、ふと目を凝らすとケンイチの姿が。黙ってここから引っ越してしまったのを気にしてナオヤを待っていたという。

その日はケンイチの誕生日。そのことを失念していたナオヤは慌てて誕生日のプレゼントを買いに行く。

戻ってみると、ケンイチの姿はなく、代わりにウェルテルという名の小鳥を飼う女・マリーがいた。

マリーはワケありの様子で、この屋敷に隠れているらしい。彼女が使っている部屋にナオヤはなつかしさを覚える。

そこはかつてケンイチのお母さんの部屋で、壁にはあの頃と同じ鳥の絵が描かれていた。

滅びに向かってゆっくりと変化しているこの屋敷の中でナオヤは過去をなつかしむ。

ケンイチと渋谷の街を庭のように走り回った。この家にもよく遊びに来た。ケンイチのお母さんがとても優しかった。

そして、ゼラニウムの華の赤さ…。

 

過去の記憶の洪水に襲われるナオヤにおかまいなしで、たくさんの人々が屋敷を訪れる。

マリーを愛するアオヤギ、マリーがこの屋敷に来る前に住んでいたアパートの雇われ管理人フクダ、

アオヤギの会社の同僚フナキ、アオヤギを田舎から心配して追ってきた父と妹トシミ。

マリーの安息の地はこの屋敷の中だけだったのに、もはやそれすらも破られはじめていた。

彼らはここがケンイチの家だということを知らない。ケンイチはどこへ行ってしまったのか。

混乱する意識の中で、ナオヤが封印していた哀しい真実が蘇ってくる。

 

作・演出:岩松了

 

出演:

村上虹郎、小泉今日子

鈴木勝大、南乃彩希、駒木根隆介、小林竜樹、高橋映美子

たかお鷹、岩松了、豊原功補、橋本じゅん