演劇
日中平和友好条約締結40周年記念公演『風をおこした男 -田漢伝』

『風をおこした男 -田漢伝』

チケット情報

日中平和友好条約締結40周年記念公演 『風をおこした男―田漢伝』

日本留学で出会った新劇に魅せられ、芸術に情熱を注いだ田漢(でんかん)の半生を、中国演劇界注目の演出家、田沁きん(でん しんきん)が現代的な演出で描き出す!

世田谷パブリックシアターでは、開場以来、世界のトップアーティストたちの舞台作品の数々を招聘してまいりました。そして2018年10月、日中平和友好条約締結40周年を記念して日本に留学経験もあり、のちに中国国歌の作詞をはじめとした歌詞や映画、戯曲などを数多く残し、中国文化に多大な功績を遺した田漢の半生をドラマチックに描き出した『風をおこした男―田漢伝』(2001年中国国家話劇院制作北京大学百周年記念講堂で初演 原題「狂飆」)を中国でもトップレベルの舞台芸術大学、上海戯劇学院との共同主催で上演します。

作・演出を手掛けるのは中国で最も歴史が古く、レパートリーが豊富な劇場のひとつである中国国家話劇院に所属し、中国話劇(話劇:セリフと自然な身体動作を基礎とする演劇)の演出家として中国演劇界の国宝とも言われている田沁?です。彼女の出世作ともいわれる本作は、中国の話劇110周年にあたる昨年、2017年に16年ぶりに中国で再演されました。初演時の演出に大きく手が加えられ、8台のデジタルハイビジョンカメラを用いた現代的な映像演出は、そのビジュアルの新鮮さだけでなく、時空と空間を超え、観客もまるでドキュメンタリーのように田漢が過ごした歴史の中を行き交うような印象を与え、中国に新たな形式の演劇や文化を取り入れた彼の芸術への情熱を鮮明に描きだし、より高い評価を得ました。 また、田漢役を上海戯劇学院の卒業生でもあり中国の映画、テレビドラマで主演を重ねる金世佳(きん せいか)が演じるほか、明日の中国の演劇界を支えていく若き上海戯劇学院の学生たちが出演します。

作・演出

田沁きん(でん しんきん)
※きんは金が三つの漢字

出演

金世佳(きん せいか) ほか

公演スケジュール

10/6(土)~10/7(日) 東京・世田谷パブリックシアター

物語

その生涯を今まさに閉じようとしている田漢の脳裏に、人生で出逢った女性たちの姿が次々と浮かび上がってきた。若き日の田漢は飽くことなく愛を追い求め、狂ったように演劇活動に命を燃やした。激動の時代に、彼は魯迅が軽蔑した四角関係にのめりこみ、世間のタブーなどには目もくれず、偽善の仮面を遠慮なく剥ぎ取った。中国の「演劇魂」と呼ばれた田漢は、どのようにして「ロマンチシズム」の虜になっていったのか? 芝居が人生なのか、はたまた彼の人生が芝居なのか? 田漢は、己の欲するまま、まるで気がふれたかのように演劇に取り憑かれ、その生涯を風のように走りぬけていくのであった。本作は芸術によって祖国を滅亡から救おうと、その生涯を捧げた一人の芸術家の凄烈な生き様の物語である。

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田漢(でんかん)について

1898年中国湖南省出身。 1968年70歳で没。劇作家、詩人。1916年には日本に留学し、東京高等師範学校(現・筑波大学)英文科に学んだ、1922年に帰国。妻の易漱瑜とともに雑誌『南国月刊』を創刊、戯曲(劇文学)を発表する。その後も戯曲を発表し続け、中国話劇の代表的劇作家の一人となる。1935年の映画〈風雲児女〉の主題歌として『義勇軍行進曲』を作詞したが、1966年からの文化大革命で、多くの知識人、文化人とともに批判、投獄され、1968年12月、獄中でその生涯を閉じた。1979年、北京で田漢の名誉を回復する追悼大会が盛大に執り行われた。中国話劇三大創始者の一人と称される。