「生涯かけて撮りたいものを見つけなさい」
親からの漠然とした言いつけに、僕は呪われている。
町の写真館を細々と営むカメラマンに、本当に撮りたい写真なんかあるわけない。
鬱々とした日々の中、突如現れたのは、あの家族写真に写る“お嬢様”だった。
あらすじ
山田純九郎(稲垣吾郎)は、写真館の2代目店主。戦場カメラマンだった父(相島一之)には会ったことがなく、町の写真館の店主として人気のあった母(石橋けい)からは理不尽な期待を背負わされた子供時代。
写真館で育ち、写真に囲まれた人生は、常に写真に苦しめられてきた人生でもあった。
毎年、愛に溢れた家族写真を撮る裕福な同級生の一家があった。45歳になった純九郎の元に、その憧れの一家の“お嬢様”であった麗華(真飛聖)が訪ねてきた。またその息子、実(杉田雷麟・小澤竜心 ダブルキャスト)と関わっていく中で、純九郎は、かつて強く求めた家族の愛情に触れられそうな予感をもつ。
親の威光、無関心、理不尽な期待、そして、隠し持った家族写真…それらが多重露光の写真のように純九郎の頭の中に常にあって、幸せという未来の焦点がなかなか合わない。
幼馴染(竹井亮介)や、取引先の中学校教員(橋爪未萠里)が何かと気にかけてくれるが、純九郎に欠落した愛情が埋まることはなかった。
純九郎は、自分の求める愛を、人生の中に収めることができるのだろうか。
作
横山拓也
演出
眞鍋卓嗣
出演
稲垣吾郎 /真飛聖 杉田雷麟・小澤竜心(ダブルキャスト) 竹井亮介 橋爪未萠里 /石橋けい 相島一之
日程・会場
公演日 |
2023/10/6(金)~10/22(日) |
会場 |
東京・日本青年館ホール |