演劇
2018 PARCO PRODUCE”三島×MISHIMA“ 『命売ります』
チケット情報
2018 PARCO PRODUCE”三島×MISHIMA“ 『命売ります』
これが三島由紀夫!?
三島由紀夫作品のイメージを覆す、POPでシニカルな エンターテイメント小説を舞台化!
「プレイボーイ」で連載されていたことがうなずける、軽妙な世界感。
先の読めないサスペンスであり、主人公羽仁男が思わぬ展開に巻き込まれるコメディでもある。
そしていつの間にか突きつけられる、「死ぬこと」「生きること」。
「命」という重厚なテーマを、スピーディーな展開でユーモアたっぷりに描いた傑作をノゾエ征爾演出で上演。
スリルとサスペンスに満ちたなエンターテイメントであると同時に、三島由紀夫らしい多面的で複雑な人間が躍動する本作品。 1960年代末の発表当時の雰囲気も大切にしつつ、ノゾエ征爾らしいユーモアある切り口で、軽やかに人間の本質に迫ります!どうぞご期待ください!
見どころ
■主人公羽仁男の命を、吸血鬼である母のために買いに来た少年薫。
一緒に過ごすうちに、親子のような関係に。
全編を通じて不思議な信頼関係を築く、美青年二人 (東啓介/「刀剣乱舞」ほか出演。上村海成/NHK「半分、青い」ほか出演) に注目。
■羽仁男が関わる4人の美女たち。
それぞれとの異なる「愛」の形はある意味ロマンチック?!
一風変わった4つのラブストーリーが展開する。
■命を「買い」に来る、一筋縄ではいかない登場人物たち。
映像作品でも活躍する、演劇界に欠かせない個性溢れるキャストがさまざまな役柄で登場。
羽仁男を翻弄する。
原作
三島由紀夫
(「命売ります」ちくま文庫))
脚本・演出
ノゾエ征爾
出演
東啓介 上村海成
馬渕英里何 莉奈 樹里咲穂 家納ジュンコ
市川しんぺー 平田敦子
川上友里 町田水城 ノゾエ征爾
不破万作 温水洋一
公演スケジュール
11/24(土)~12/9(日) | 東京・サンシャイン劇場 |
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12/22(土) | 大阪・森ノ宮ピロティホール |
関連リンク
ストーリー
ある日「死のう」と思った若きコピーライター・羽仁男(はにお)は、「命売ります」という新聞広告を出す。最初に羽仁男の命を買ったのは謎の老人。
ある男の愛人になってしまった妻・るり子と関係を持って、嫉妬に狂った男に妻と一緒に殺されて欲しい。
という依頼だった。早速るり子に近づき関係を持つが、男に浮気現場を目撃されたにもかかわらず、なぜか殺されることはなく、帰されてしまう羽仁男。
翌日、隅田川でるり子の水死体が発見される。生き延びてしまった羽仁男は再び命を売りに出すのだった。
その後も「図書館の貸し出し係の女」「謎の組織ACS」「吸血鬼の女とその息子」「部屋を貸す女」と次々と現れる羽仁男の命を買おうとする人物たち。なんとも不思議な人々と関わるうちに、思いもよらぬ展開に巻き込まれていく。
羽仁男は無事?!命を売ることができるのか。待望の瞬間が迫るとき、羽仁男は何を思うのか…。
役どころ
羽仁男/東啓介
「…生きてますから、誰かまた買いに来てください、命。」
27歳コピーライター。ある日、ふと「死のう」と思い、『命売ります』の新聞広告を出すが、ことごとく生き延びてしまう。
次から次へと現れる命を買おうとする奇妙な人々と関係するうち、思わぬ方向に導かれ…。
死を望みながらも周りに巻き込まれていくうち不思議と充実し、「生」に引っ張られる、巻き込まれ型の主人公を、ミュージカル『刀剣乱舞』出演で注目を集め、長身と抜群の歌唱力でミュージカル界も注目する東啓介が演じ、初のストレートプレイに挑む。
薫/上村海成
「俺の母ちゃん、吸血鬼。」
血を吸わないと生きていけない「吸血鬼」の母親のために、家にあった藤田嗣治の本を売って羽仁男の命を買おうとする。母親を愛する純粋さと母親のためなら命を買うことさえ厭わない狂気をもつ不思議な少年。
母と羽仁男と暮らすうち、次第に羽仁男を慕うようになり、最後まで羽仁男と奇妙に関わることになる。
NHK「半分、青い」で主人公の弟役を演じ、好青年役でお茶の間に支持された上村海成が、ミステリアスな役どころで新たな魅力を見せる。
玲子/馬渕英里何
「もし私が急に発狂したら、すぐに私を殺して、あなたも死んでね。」
羽仁男が出会う4番目の女。自分は気が狂う病気にかかっていると思い込み、両親と住む豪邸の離れを自分で改築した部屋を借りてくれた男と一緒に死にたいと思う箱入り娘。羽仁男と夫婦のように過ごすようになるが…。
危うい精神状態だが少女のような無邪気な魅力もある玲子に、清純、奔放、あらゆる役を演じ分け、映像、舞台問わず、数多くの作品で存在感を残す、馬渕英里何。
るり子/莉奈
「じゃあ、行き当たりばったりでベルを鳴らしたら、私みたいなグラマー美女に当たったってわけ?なんて運のいい人!」
羽仁男が最初に出会う女。謎の老人の妻であり、ある男の愛人でもある。老人から依頼を受けた羽仁男に誘惑され、はじめは抵抗するが、羽仁男を男の部下、「ACS」の関係者だと勘違いし、部屋に招き入れ関係を持つ。すぐに男に見つかってしまう。そして羽仁男は生きたまま帰され、るり子は…。若く、美しく、健康な女。
グラマーな魅力のるり子には、「ロミオ&ジュリエット」の公募オーディションでジュリエットに抜擢され、その後も抜群の歌唱力で多くのミュージカルや舞台作品に出演する莉奈が、これまで演じてこなかった役どころで、『アジアスーパーモデルコンテスト』日本代表にも選出された美しいスタイルも披露。
吸血鬼の女/樹里咲穂
「美味しかったわ、ありがとう。今夜はこのくらいにしておくわ。」
男の血を吸わないと生きていけない、美しい薫の母親。薫と三人で疑似家族のように暮らし、穏やかで幸せな日々を過ごす。いよいよ羽仁男と最後の時を迎えるという時に、羽仁男が倒れてしまい…。
宝塚退団後、精力的に舞台に出演し、パルコ・プロデュース「ミュージカル アダムス・ファミリー」でもママをはまり役で公演。今回も「吸血鬼」という役にリアリティを持たせる。
図書の女/家納ジュンコ
「今回私に命を売ると、つまり、私があなたの命を買うと、んが、んが、今度こそ、あなたは生きて帰れないかもしれません。それでもいいんでしょうか?」
羽仁男が2番目に出会う女。図書の貸し出し係をしている。地味な生活の中に刺激を求めており、新聞に掲載されていた「本探し」の記事で見た幻の本を、図書館の倉庫で見つけたことでその本を盗んで売りに出してしまう。
本の買い手から、もう50万円出すので協力しないかと持ちかけられた内容が、本に記されていた「自殺を装った殺人に導くことができる」薬の実験台になることではないかと思い、羽仁男を連れて行く。
個性的なキャラクターで多くの作・演出家の舞台に出演。コメディ作品でも場面をひっぱる家納ジュンコがいつの間にか羽仁男を愛してしまう女を演じる。
玲子の父・外国人など/市川しんペー
「私こう見えて、昔船長だったんです」
元船長で玲子を可愛がる父。自分が昔にかかった病気のせいで玲子が自分も病気になると思い込んだことから心配し、玲子を甘やかす。羽仁男を絡め取っていく登場人物を、市川しんペーが変幻自在の個性で演じ分ける。その他、図書の女から本を買った組織のボスなど。
玲子の母・おばちゃん/平田敦子
「ふつつかなんてことはないのよ?それはそれは神様のような娘なのでございますのよ?」
玲子の母。夫婦で玲子を甘やかす。その他、時々で羽仁男の前に現れるおばちゃん。
唯一無二圧倒的存在感で映像、舞台と活躍する平田敦子。市川しんペーとの夫婦役も見どころ。
娘/川上友里
「妙な世の中だ」
羽仁男の前に何度も現れる名のない娘。何か啓示じみたやり取りを残していく。
ノゾエ征爾主催「劇団 はえぎわ」所属の川上友里が、おっとりとした空気から、鋭く刺さる台詞回しで羽仁男と観客の心に何かを残していく。
外国人/町田水城
「わかっているね。もし喋ったら、わかっているね。」
羽仁男がたびたび耳にする「ACS」のメンバー。次第に組織で羽仁男を追い詰めていく。
ノゾエ征爾主催「劇団 はえぎわ」所属町田水城。真面目な青年から怪しげなチンピラ風まではまる容姿と、持ち味の熱い芝居で正体不明の謎の組織を演じる。
デッサンの男/不破万作
「やあ、とてもキレイだった。君たちの運動。動物の真の姿ね。」
るり子を愛人にしている朝鮮人。二人の浮気現場を目撃するが、二人をデッサンし、羽仁男に作品を見せる。
羽仁男のことは開放するが、その後再び羽仁男の前に現れる。「ACS」と関係があるのか…?
映画監督、演出家から信頼される説得力のある演技力で、笑顔で押さえた「怖さ」を持つ男を演じる。
謎の老人/温水洋一
「やったやった!よくやってくれた!しかもあんたは死なずか!さすが商売人だな!」
羽仁男の命を最初に買いに来た老人。若い妻るり子が、ある男の愛人になっていることが許せず、羽仁男に浮気現場を男に目撃させ、一緒に殺されてくれと依頼する。羽仁男が巻き込まれていく発端となる老人役に、映像作品でも強烈な印象を残しながら、舞台にも精力的に出演し、昨年出演した『管理人』で第52回紀伊國屋演劇賞・個人賞も受賞した温水洋一。