演劇
『The Silver Tassie 銀杯』

チケット情報
『The Silver Tassie 銀杯』
日本演劇界を代表する演出家の一人として、今まさに旬な演劇人である森新太郎により、アイルランドの劇作家ショーン・オケイシーが書いた『 The Silver Tassie 銀杯 』(初演1929 年、ロンドン)を今年の秋、本邦初演で上演。歌あり、笑いあり、涙ありの賑やかな“反戦悲喜劇”の幕が開く!
第一次世界大戦のアイルランド。銀杯(優勝カップ)を抱え、輝かしい将来を嘱望された一人のフットボール選手・ハリー・ヒーガンは歓喜にわいた人々の輪の中にいた。だがその後戦地へと向かい、彼の人生は一変してしまう―――。
希望に満ちた人生を選択できたはずだった一人の青年が、国家の大義名分ともいうべき「戦争」の犠牲となっていく過程を描いた反戦ドラマの一つともいえるような作品。第一次世界大戦の終戦からちょうど10年後の1928年に書かれた骨太でスケール感のある本作を、演出・森新太郎が、この混迷の現代へ導く。
作
ショーン・オケイシー
翻訳・訳詞
フジノサツコ
演出
森新太郎
出演
中山優馬 矢田悠祐 横田栄司 浦浜アリサ 安田聖愛 土屋佑壱
麻田キョウヤ 岩渕敏司 今村洋一 チョウヨンホ 駒井健介 天野勝仁
鈴木崇乃 吉田久美 野田久美子 石毛美帆 永石千尋 秋山みり
山本亨 青山勝 長野里美 三田和代
公演スケジュール
11/9(金)~11/25(日) | 東京・世田谷パブリックシアター |
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◆11/14(水) 14:00公演=ポストトークあり 出演:森新太郎、中山優馬 ほか
※開催回のチケットをお持ちの方がご参加いただけます。
発売情報
一般発売
発売日:9/9(日) 10:00
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Lコード:35091
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インタビュー&レポート
演出・森新太郎 コメント
第一次大戦中、約20万人のアイルランド人がイギリス兵として戦場に向かった。それは、イギリス帝国内でアイルランドが対等の立場を得るための、積極的な戦争協力であった。すぐにイギリス側が勝利するという楽観的な憶測は外れ、戦争は長期化、地獄のような塹壕戦を兵士たちは味わうことになる。そして大戦の終結から10年後、ショーン・オケイシーはこの戯曲を書いた。一種の反戦劇である。
その数年前から、ダブリンの下層民たちを描いた悲喜劇「ダブリン三部作」によって、彼の名はすでに世に知られていたが、それらは常に物議を醸していた。彼は笑いをふんだんにまぶしながらも、市井の人々のありのままを描写した。そこに描かれたダブリン市民の欺瞞・不寛容・残酷さは、当時の愛国者たちにとって受け入れがたいものだった。その為、時に上演は妨害され、暴動にまで発展したと言う。『The Silver Tassie 銀杯』に至っては、劇場側が上演自体を拒絶したため、初演はロンドンで行われた。本作品では、ダブリンにおけるありふれた日常と、戦場における極限状態とが対比的に描かれる。そのどちらにも等しく‘暴力’が存在するということを、オケイシーは人々に訴えたかった。
ロンドンの初演から90年、おそらく今回が日本での初演となる。彼の鳴らした警鐘は、現在の我々にどう響くであろうか。他に類を見ない、この奇妙かつパワフルな反戦悲喜劇を、どうか劇場で目撃していただきたい。