【インタビュー】豊崎愛生

2025/5/15(木)

時代を超えて響く名曲の数々がよみがえる

無類の音楽好きで、ジャンル年代問わず様々な音楽に触れてきた豊崎愛生。声優・アーティストとして活躍する彼女が、誰もが一度は耳にしたことのある日本の音楽史に欠かせない名曲たちをテーマに選曲したカバーアルバムが、2018年にリリースした『AT living』だ。アレンジもオリジナルをリスペクトしたもので、彼女の楽曲に対する愛が存分に伝わってくる作品だったが、それを携えての「LAWSON presents 豊崎愛生 コンサート2018『AT living』」も、リリースと同じ年に開催している。

「舞浜アンフィシアターの円形のステージで、お客さまに包まれながら歌うことができた幸せなコンサートでした。カバー曲は、70年代の日本の名曲を集めたもので、きっと誰もがどこかで触れてきた音楽たちだったと思うので、一緒に口ずさんでくださっている方がたくさんいたのも印象的でした。アルバム収録曲はもちろん、オリジナル曲や学生時代にリアルタイムで聴いていた楽曲も加えた、振り幅の大きなセットリストでした。私自身がギターを弾いて歌う曲もあったので、たくさん練習したのも楽しい思い出です」

あれから7年。6月29日に『LAWSON presents 豊崎愛生 カバーコンサート2025 AT living II ～sing of youth～』を開催する。カバー曲の選曲は、前回とは異なるコンセプトになっているそうだ。

「『AT living』をリリースさせてもらった時から、実はこっそりシリーズ化できたらいいなぁという野望はあったんです。今回は、サブタイトルを『sing of youth』＝青春を歌う、にしたので、自分自身の青春時代を彩ってくれた楽曲たちを集め、生バンドでの演奏ということも踏まえ、セットリストを決めていきました。だから前回と違って、平成の楽曲たち、さらに私が学生時代に大好きで聴いていた曲たちをセレクトしています。私の学生時代は、MDウォークマンが主流で、自分でお気に入りの曲たちを集めてMDに録音して持ち歩いていたんですけど、その中でも特に、今回はバンドサウンドの楽曲を中心にカバーさせていただきます」

彼女の同世代ならば、楽曲を聴いて、自身の青春時代を思い出すだろうし、時代を越えて、若い世代にも響く名曲が、たくさん用意されていることだろう。懐かしい“MD”という音楽記録メディアの話題もあったので、彼女の青春時代の記憶も振り返ってもらった。

「音楽を聴くことやCDを買うことが日々の原動力になっていて、レンタルしたCDから自分だけのオリジナルのプレイリストのMDを徹夜で作ったりしていたのは、とても良い思い出です。学校で自分のMDを友達と貸し借りするのも毎日の楽しみで、そこで音楽の趣味の幅を広げてもらったと思います。メロコアを知ったのもその頃で、伝説級のインディーズレーベルがあったり、ライブでモッシュを目の当たりにしたり、知らなかった文化が私の中で都度エポックメイキングを起こし、感情を揺さぶられる日々でした」

そんな彼女の青春の思い出も語られるであろう、今回のコンサートへの意気込みを聞いた。

「カバーさせていただく楽曲たちは、愛と尊敬と感謝を込めて、大切に歌わせていただきます。昼と夜の2公演で、オリジナルの楽曲は、全曲ガラッと内容を変えてお届けします。コンサートロゴも自分でデザインしたのですが、学生の時、実家で一緒に暮らしていた愛犬と、愛用していたウォークマンを描きました。青春時代を彩ってくれた大好きな楽曲たちとともに、ご来場くださった皆さまの心にも響くような時間にできるよう、愛と感謝を込めてお届けしますので、よければ遊びにいらっしゃってください」