【インタビュー】lynch.

2022/9/15(木)

lynch.

lynch.の存在意義を感じ、
感じてもらえるライブにしたい

2021年1月8日、緊急事態宣言が再発出されたことを受け、2月3日に開催予定だった『15TH ANNIVERSARY “THE FATAL HOUR HAS COME”AT 日本武道館』の公演中止を発表したlynch.が11月23日に再び日本武道館に挑む。
バンドのリーダーでもある玲央に、改めて武道館という場所に挑む想いを訊いた。

「前回開催を決めたときは“長年待ち望んでくれていたファンのために”という気持ちが強かったけど、今回はそれに加えバンドのため、メンバー自身のためと考えています。活動休止後の初ライブとしてlynch.史上最大規模の会場でもある武道館に挑むことはコンスタントに活動を続けているときよりもはるかにハードルが高いことだと理解しています。活動休止せざるを得ない状況にまで陥った現状を打破するには、このくらい大きな壁が必要だと考えており、その先の未来に大きく影響する分岐点とも言える公演だと位置づけています」

玲央の発言にもあるように、lynch.は昨年12月31日の地元名古屋でのライブ『THE IDEAL』をもって一時的に活動休止期間に入ったのである。

「一旦、距離を置くことでlynch.というバンドを俯瞰的に捉えたいと考えていました。当事者として長年続けていることで、気づかない部分や気づかないふりをしている部分が多々あるんじゃないかと思っていましたので。その中でここまで見えなくなっていたものがあったのかと愕然とする部分もありましたが、同時に改善点を洗い出すいい機会になったと前向きに考えています」

lynch.として、個として、強みや弱さを認識することができたと語る玲央。活動期間は改めて自らの音楽観を見直すきっかけにもなったという。

「初期の作品から聴き直してみて、自分が思っていたより振り幅のあるバンドだなって(笑)。昨今、バンドとして感じていた“lynch.はこうあるべきだ”という固定観念に縛られすぎないように、もっと自由に向き合ってみてもいいのかなって思えました。現在は変化というよりも、各々が個人的に欲していたものがそのまま出ているんだな、と捉えています。各人各様だからこそ面白いわけで、バンドとしてもそこは尊重していきたいですし、何らかしらの変化があるとすればこれからだと思います。特にコロナ禍以降、音楽業界全体に困難な状況が続いていますが、活路を見出しながら前に進んでいきたいですし、その姿を若い世代にも見てもらいたい。何より結成当初から掲げている“長く続けられるバンド”で在り続けたいです」

全ての経験を今後の活動に反映させたいという寛大かつ貪欲な感性は、名古屋のバンドシーンに大きな影響を与え牽引して来た存在感を感じさせる。

「僕がメンバーを集めた立場として、一緒に活動を進めていく以上は日本武道館を経験させたいという気持ちを結成当初から持っていました。ただやみくもに公演を決めただけでは、その後のバンド活動が失速する恐れもある諸刃の剣のような側面もあるので、結成当初から掲げているテーマのためにもタイミングは慎重に見計らってきたつもりです。だからこそ結成15年にして日本武道館公演を発表できたときは感慨深いものがありましたし、それを聞いたファンのみんなの嬉しそうな顔は今でも鮮明に覚えています。振替という意味合いよりも今回は再スタートを切る上での出発点という意識が強いです。皆さんにlynch.の存在意義を感じてもらい、同時に自分たち自身がその存在意義を感じられるライブにしたいと考えています」

プロフィール

リンチ

'04年に結成され、'11年にメジャーデビュー。葉月(Vo)、玲央(Gt )、悠介(Gt )、明徳(Ba)、晁直(Dr )からなる5人組ロックバンド。

公演情報

"THE FATAL HOUR HAS COME" AT 日本武道館

  • 11/23(水・祝) 17:00 東京・日本武道館

インタビュー・文/武市尚子
構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載

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