【インタビュー】清春

2024/6/15(土)

清春

美学を貫くロックレジェンド、デビュー30周年記念ツアー開催中!

黒夢のヴォーカリストとして華々しく音楽シーンに登場し、その後SADS、ソロと輝かしいキャリアを積み重ねてきた清春がデビュー30周年を迎えた。ムーブメントに身を委ねることなく、常に己の美学を貫く姿勢はファンのみならず、多くのミュージシャンも魅了している。

「結果的に振り返るとやらなかった方が良かった、やった方が良かったということもありながら、強く念じてる美学みたいなモノが助けてくれた感じですかね。どんな時代が来ても動じないようになりました。日本のロックの歴史って、例えば僕がデビューして30年として、その3倍もないというか。だから、何を参考にすれば成功するのかまだわからないし、若い人たちにももっといろんな選択肢がある音楽シーンじゃないといけないとは思う。簡単に行こうとしたら簡単に終わるから、皆が同じ選択をしなくて良いシーンになればいいと思うんですよね」

この節目で発表された新作『ETERNAL』はラテンやブルースの匂いを漂わせ、そこに清春ならではの歌声が合わさった、他にはない激しい音像を誇っている。ベースとドラムを使わないというサウンドプロダクションも独創的だ。

「グルーヴを求めるとき、ベースとドラムで出すという基本的な思考がダメなわけではないけど、そう思わない人がいてもいいだろう、と。まだまだ可能性を探しているし、何か凄いなっていうモノを残して終わりたいんですよ」

3月からはソロとしては過去最大規模となるツアーが始まった。新作に加えてこれまでを振り返るような曲もピックアップされ、清春のキャリアを感じ取れる内容になっている。公演ごとに異なる編成でおこなうというのもとても魅力的だ。

「基本的にはパーカッション、サックス、ギターで激しくやっているんですけど、そこに鍵盤やドラムが入ったり、もうひとりギターを入れたりとかもしてますね。そこはあえて予告しないというか。来るまでわからなくてもいいのかなって」

驚くことに黒夢、SADSとしてその当時のメンバーが集結するライブも予定されている。

「またやるとは思ってなかったんですけど(笑)、(キャリアを)網羅するという意味だと、黒夢は10年前にやったけどSADSの初期のメンバーとは20年も会ってないな、とかもあって。自分で連絡先を調べて、それぞれ直接オファーをしました。これはもう、人生だなと思いまして。10年前に会った人とまた仕事をすることは若いうちだとできないしね。長くやってきた意味はあるのかな、と」

ソロとはまた違う表情も実に楽しみだ。

「10年前に黒夢を再結成したときは新しいムードでやりたかったからめちゃくちゃ煽ったりとか、凶暴な感じを押さえてたんです。でも、あれから10年が経つと無理をしたいのか(笑)、なるべくあの頃のムードでいきたいですね。予感的にはこれが最後っぽい気がするから」

来年2月まで続くロングツアーではあるが、そのどれもが清春にしか生み出せない空気で満たされ、駆けつけたファンはその瞬間を永遠のモノとして抱きしめていけることだろう。

「あの頃自分が何歳だったとか、子供が何歳だったとか、覚えやすく思い出にピン止めできるようなメモリアルなモノになったらいいんじゃないか、と最近思うようになってきまして。そういった意識があると1本1本、絶対に素晴らしいライブにしたいという気持ちになりますから」

プロフィール

清春/きよはる

'94年に「黒夢」でデビュー。'24年3月よりデビュー30周年を記念した全国ツアーを開催中。

公演情報

デビュー30周年を記念し、'25/2/9まで1年間を通したツアーDEBUT 30TH ANNIVERSARY YEAR TOUR 天使ノ詩『NEVER END EXTRA』開催中!
Borisとの競演に加え、SADS、黒夢でのライブも決定!

インタビュー・文/ヤコウリュウジ
構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載

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