【インタビュー】布袋寅泰

2023/9/15(金)

布袋寅泰

「昔も良かったけど今が最高」と言わせたい

昨年は節目となるアーティスト活動40周年を圧倒的なバイタリティで駆け抜け、締めくくりとなったライブ「Rock’n Roll Circus」でも最高の姿を見せてくれた布袋寅泰。休む間もなく、新作が“GUITARHYTHM”シリーズの第7弾アルバム『GUITARHYTHM Ⅶ』だということが発表され、その経緯を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「コロナ禍と重なり想定外の40周年だったけど、大きな節目を皆と迎えられて嬉しかったよ。ファイナルの『Rock’n Roll Circus』が完璧なライブだったし、2023年初旬は少し休もうと思っていたけど、甘かったな(笑)。何かが終わるとすぐ次を始めたくなる性分でね。新たな気持ちで“GUITARHYTHM”に挑んでみようと思ったのは、守りに入らず攻め続けていたいと思ったから」

衝撃のソロデビュー作『GUITARHYTHM』から35年。新作は“GUITARHYTHM”シリーズそのものへのオマージュということだが、なぜこうしたアイデアが生まれてきたのか？

「決してノスタルジーからではなく、AI元年とも呼ばれる今、『最新のテクノロジーをプリミティブなロック・フォーマットに置き換える』というコンセプトが頭に浮かんだとき、とても興奮したんだ。電気自動車が日常となった時代に(ディープ・パープルの)『Highway Star』をカバーするなんて最高のアイデアだし、誰も想像しなかっただろう？ギターソロを久しぶりにコピーしたのも楽しかったよ！」

布袋はこれまで多くのアーティストと刺激的な音世界を披露してきたが、新作ではアイナ・ジ・エンドを招いたことも注目される。その経緯や手応えをこう語る。

「彼女の楽器のような声、そしてジェンダーレスな存在感が僕の創作意欲を大いに刺激した。アンドロイドと人間が交わす“愛”にまつわる歌詞は、奇想天外ながらもどこか切なく響くだろう。ロックオペラとも呼べる壮大な展開も楽しんでほしいね。ロンドン～東京でのリモート録音だったのにもかかわらず、僕のイメージを完璧に歌い上げてくれた彼女の力量に脱帽。素晴らしいシンガーだよ」

10月からはツアーもスタート。布袋が本ツアーでイメージしていることとは何なのか？

「新作からの曲を中心に“GUITARHYTHM”の歴史を辿りつつ、度肝を抜くようなロック・エンターテイメントを全国に届けたい。壮大なSF映画を観ているような没入感と高揚感を味わってほしい。久しぶりにオーディエンスのホテイコールも浴びたいし、皆と一緒に歌えるような場面も作りたい。じっくりギターの音色に酔いしれてほしい」

常に未来へ手を伸ばす布袋の姿はいつでも魅力的。そのバイタリティはどこから生まれるのか？

「みんなをガッカリさせないよう僕も必死だよ(笑)！正直な話、期待されるほど僕らアーティストのモチベーションは高まるもの。『昔は良かった』ではなく『昔も良かったけど今が最高』と言わせたい。限りある命、止まっている暇はないよ。自分に退屈したら終わり。前進あるのみ」

最高の今を見せる本ツアーに向けて、最後にメッセージをもらった。

「コロナの規制も更新され、また皆さんと最高の時間を過ごせることを心から嬉しく思います。ニューアルバム『GUITARHYTHM Ⅶ』を聴き込んで来てくださいね！最新形のHOTEIサウンドで全国の会場を大いに盛り上げます。皆さんの笑顔と会える日を楽しみにしています。Let’s Rock!!!」