【インタビュー】Gero

2024/10/15(火)

Gero

“ライブハウス武道館”なライブをしたい

今年9月に活動16周年を迎えたGero。10代の頃からハードロックやメタル、歌うことが好きだった彼は、インターネットカルチャーやパソコンに造詣の深い実弟と、友人のバンドマンの協力により「歌ってみた」動画をアップし、シンガーとしてのキャリアをスタートさせた。

「10代の頃、部屋の窓を閉め切って、枕に顔を押し当ててハイトーンボイスの練習をして、親父に『うるさい!』とすごい剣幕で怒られる毎日を繰り返していたんです(笑)。ハイトーンやシャウトで思いっきり歌っている人たちの動画を観て、僕もやりたいなと思ったのが動画投稿のきっかけでした。それまでどんなことも長続きしなくて、面倒なことから逃げてきていた負け犬の自分が、時間も忘れるぐらい熱中して没頭し続けてきて。16年があっという間と感じられるのは、本当に幸せだなと思いますね」

この16年間、主となる活動のモチベーションはライブだった。その背景には中学生の頃からSEX MACHINEGUNSをはじめ様々なアーティストのライブVHSを観続け、ライブへの憧れを募らせてきた過去がある。

「擦り切れるまでライブVHSを観て、目を輝かせていた中学生時代の自分が、今もずっと心の中にいるんです。ライブには音源で聴くのとは違う生ならではの迫力があるし、一緒に振り付けで踊ったり、跳ねたりする楽しみもあるし、MCも魅力だと思うんですよね。だから今もあの頃の憧れを追いかけているし、若い子たちにも『ライブってこういうところが楽しいんやで!』と伝えていきたいんです」

今年の夏に開催したZeppツアー『火花』も、過去最高の手ごたえを得ることができた。

「慎重派でビビリの僕としては、馴染みのある大好きなライブハウスで鍛錬を重ねて、その感覚を残したまま武道館に挑みたかったんです。あれだけ思いっきりみんなでジャンプしたり声を出したりしたライブは5年ぶりだったので、これまでたまっていた鬱憤が爆発させられた感覚もありました。ホールツアーからさほど間を空けずZeppツアーを回れて本当に良かったです。武道館に向けてステップアップできました」

2025年2月、Geroは満を持してかねてからの夢の舞台である日本武道館に立つ。思い入れの深い会場ゆえに、正式決定してからは常に緊張に襲われているという。

「『絶対成功させたい』という気持ちがデカすぎて『怖い! 逃げ出したい!』と焦っているし、当日しでかす系の悪夢もよく見ます(苦笑)。だからこそ武道館を成功させたら脳汁がすごいことになると思うんです。僕はプレッシャーがかかればかかるほど成功することが多いので、これはいい傾向だと受けとめています」

『さようなら、武道館』という意味深な公演タイトルには、人生最後の大舞台に立つくらいの気合いで臨むという真摯な姿勢、武道館を通過点にしたいという野心、ここまで恐れを感じるライブは最後にしたいという可愛げなど、Geroの人間味が詰まっている。不安も喜びも高揚も16年で得た経験も、Geroはすべてを抱えて憧れの場へと立ち向かう。

「当日は普段やってない曲を披露したいですし、僕が観てきたアーティストさんみたいに『ライブハウス武道館』なライブをしたいですね。みんなの期待を裏切りたくはないし、絶対成功させるためにやれることは全部やる所存です。自分のペースではありますが、ようやくここまで来ることができました。中学生の頃の自分を抱きしめてあげたいですね。あと4カ月でできる限りアーティストとして成長して、一番いいかたちで武道館のステージに上がりたいです」

プロフィール

Gero /げろ

'13年にロックアニソンシンガーとしてメジャーデビュー。アニメ主題歌やドラマ、ゲームなどのタイアップを多数担当。

公演情報

さようなら、武道館

  • '25/2/26(水)18:00 東京・日本武道館

インタビュー・文/沖さやこ
構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載


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