【インタビュー】Gero

2024/6/15(土)

Zeppツアーで地に足をつけて次のステージ（武道館）へ！

昨年デビュー10周年を迎えたシンガーのGero。初のホールツアー『The Beginning』ではこれまでにないセットリストを組むなど様々な試みを取り入れ、今年2月に開催した東京国際フォーラムホールAでのファイナル公演も成功を収めた。

「日本武道館で単独公演をおこなうという目標を立てたうえで臨んだツアーだったので、全6公演でそこに向けてイメージを固められましたね。夢に向かって一歩踏み出せました」

同ツアーで武道館公演への思いをファンに直接伝えた。だが彼は過去、イベンターからの武道館公演のオファーを頑なに断り続けたという。

「最初に打診を受けたのはメジャーデビュー前、初のオリジナルアルバムを出したときでした。当時の僕はツアーの経験がなくて、ドラクエで言うなら“ひのきのぼう”しか持ってないレベルで。武道館はそんな状態で立つべき場所ではないと思ったんです。その後も持ちかけられては『もう少しいろんな経験を積んでから考えましょう？』と断って……ほんと僕は慎重で及び腰なんです(苦笑)。大好きなSEX MACHINEGUNSの日本武道館公演のVHSを擦り切れるくらい何度も観ていて、どんどん武道館への思い入れが強くなったのも、踏み切れなかった理由でもありますね」

そんな彼を突き動かしたのは、YouTubeユニット・肉チョモランマで共に活動するめいちゃんの、2022年の武道館公演だった。

「めいちゃんがすごくいいライブをしていたのはもちろん、僕の周りにいたお客さんが武道館のステージに立つめいちゃんを観て、泣いて喜んではったんですよ。それを見て『たぶん俺が武道館に立つのを待ってくれている人もおるぞ』とハッとしたんです。『俺、何ぼーっとしてんねん。自分が気持ちいい環境に甘えてたらあかん。Geroを応援していて良かったと思ってもらえることをせなあかん』と奮い立ちました」

8月から開催される『Gero Live Tour 2024「火花」』は全国6カ所のZeppを回る全国ツアー。ホールとは異なる趣の、ライブハウスならではの熱気あふれる空間を目指す。

「ホールツアーはお客さんが観て楽しむコンサートに近いライブだった印象があるので、Zeppツアーはお客さんが前のめりで一緒に楽しめるライブにしたいですね。Zeppはお客さんの顔もよく見えるし、ようやく久しぶりに札幌に行けるのも嬉しいです。どの会場もしっかり盛り上げます」

コロナ禍ではライブがおこなえない期間が続いた影響でステージングの勘が鈍るという窮地に陥るも、初心にかえり一つずつ力を積み重ねてきた。タイトル通り、真夏の太陽を凌駕するほどに熱く眩しく、輝かしいツアーになるだろう。

「夏はほかの季節にはない特別な感覚があると思うんです。バンドメンバーと『暑いなあ～！』と言いながら移動したり、いつも以上に汗かいて足や指がつったりしながらライブをしたり……ほんと青春ですよね。会場に来てくれるみんなも一緒にぜひそれを味わってほしいし、一緒に思い出を作ってほしいな。ただし水分補給はしっかりと！僕もお医者さんから『ちゃんと水分を取らないとまた尿路結石になっちゃうよ』と言われているので気を付けます(笑)。今までよりさらに色濃いライブをしたいですし、その感覚をしっかりと掴めれば、夢の武道館に完全な状態で立てる予感がするんですよね。しっかりZeppツアーで地に足をつけて次のステージに行きたいです」