【インタビュー】flumpool

 

flumpool

新しい血が入ったアルバム『Real』を携え、10度目の全国ツアーへ!

 

ヴォーカル山村隆太が歌唱時機能性発声障害から復活、2019年に活動再開したflumpool。2020年序盤はドラマ『知らなくていいコト』の主題歌で大きな話題に。吉高由里子扮する週刊誌記者は真実を追求するうち“愛ゆえの嘘”に気付き、苦悩する。そんな姿に寄り添う実に人間らしい名曲「素晴らしき嘘」には、山村のリアルな実感が込められていた。

山村 休止中に声が出なかったとき、メンバーは皆普通の対応をしてくれたから、僕はプレッシャーを感じずにいられました。ファンの皆さんも“待ってます”ではなくむしろ“待ってないのでゆっくり休んでください”と言ってくれて……。言葉の裏にある優しさを受け取ることができて僕自身すごく救われた。そういった実体験を書いた曲だったんです。

そんな「素晴らしき嘘」も収録されるおよそ4年ぶりのオリジナルアルバム『Real』を5月20日(水)にリリース。真逆の名を持つデビューミニアルバム『Unreal』から12年が経った。

山村 挫折を乗り越えた再始動のアルバムとしてこのタイトル、コンセプトでつくりたい、という想いは年末には固めていました。今僕たちはすごくリアルに、自分たちの足で一歩一歩着実に夢に向かっていけている、という感覚があって、それを音楽にしたかった。デビュー当時はいきなり100点を狙っていたところもあったけど、今は違う。昨日より今日、今日より明日という着実な加点方式で活動しているほうが楽しいな、と気付けたんです。“明日また声が出なくなるかもしれない”と思ったら、 自分たちが楽しく、熱を持ってできる曲しかやりたくない。そんな曲ばかりのアルバムになった気がします。

小倉誠司 やっぱり、活動休止という経験をしたからこそ出てきたコンセプトですよね。もし無理をして、休止せずにあのまま走り続けていたら、バンドはまったく違うベクトルを向いていたかもしれないですし。たしかに言葉としては活動休止でしたけど、その中でもバンドとして実は、少しずつ前に歩みを進めていたのかもしれません。ドラマーとしてもいろんなチャレンジができる楽曲が多いアルバムなので、ライブで早く演奏したいですね。

深夜バスで大阪から上京した日付を刻む「20080721」、ファミレスで朝まで語らう不変の友情を歌う「ほうれん草のソテー」、両親への感謝を綴る「初めて愛をくれた人」など、身近な体験や想いを元にしたリアルな楽曲群。サウンドも実験的で、驚くほど多種多様である。

阪井一生 前作『EGG』は1曲1曲“こういう曲にしていこう”というテーマや資料を用意したんですけど、今回は自由に、今書きたいと思う曲をどんどんつくっていきました。これまでとはちょっと違う色を入れたいなと思ったので、コライト(共同での作曲)にも挑戦しています。例えばUTAさんという方は打ち込みを得意とされているので、それだけでも全然感触が違いましたし、バンドスタイルではないトラックに導かれて、普段は出て来ないメロディーが自分の中から生まれてきたのも面白かったですね。今回は、照明とかも含め、派手な演出をイメージできる、ライブで映える曲が多い気がします。ガラッと印象が変わる曲もありそうなので楽しみです。

ベーシストである尼川元気が作曲に挑んだ「虹の傘」は大胆にもベースレス。未来へ向かう明るいイメージをさり気なく描き出している。

尼川 歌詞を書く山村が“どういうイメージ?”と聞いてきたときは、“雨上がりの休日”と伝えました。街の中に一人でいて、はじめはより孤独な個のイメージなんですけど、少しずつ音を重ねていって、最終的に活気付いた街へと開けていく。孤独だけど寂しくないし、街の雑音も雨も何もマイナスではない、というか。この曲ではベースを弾いていませんし、アナログシンセを新しく買ったので、ライブでもそういう曲の割合を増やしたいですね。ベースを背負うのも疲れてきたので……(笑)

年齢を重ね苦節も経て、奥行きを増した彼らの音楽。取材中も和気藹々としてムードは良好。7月には10度目の全国ツアーが始まる。

山村 活動再開後の初ツアーは去年開催したんですけど、今の自分たちの新しい血が入ったすごく濃いアルバムができたので、今回こそが再スタートのツアーになると思っています。困難や悲しさ、今大きな問題になっている新型コロナウィルスのことだとか、いろいろなことを乗り越えた時に人と人の絆ってきっと強くなると思うんです。バンド自体もそうだし、僕らとファンの皆さんとの絆ももっと強くなっていける。今までで一番成長できる、一番想いが詰まった“強いツアー”になると思います。

 

プロフィール

フランプール

メンバーは、山村隆太(Vo.)・阪井一生(Gt.)・尼川元気(Ba.)・小倉誠司(Dr.)。5/20(水)にオリジナルアルバム『Real』リリース。

 

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公演情報

 

flumpool 10th Tour 2020「Real」

 

7/11(土)18:30 山形・シェルターなんようホール(南陽市文化会館) 大ホール

7/12(日)18:00 盛岡市民文化ホール 大ホール

7/17(金)18:30 静岡市清水文化会館マリナート 大ホール

7/19(日)17:30 長野・まつもと市民芸術館 主ホール

7/25(土)17:30 愛知県芸術劇場 大ホール

7/26(日)15:00 愛知県芸術劇場 大ホール

8/10(月・祝)17:30 J:COMホルトホール大分 大ホール

8/14(金)19:00 大阪・フェスティバルホール

8/15(土)15:00 大阪・フェスティバルホール

8/17(月)18:30 神戸国際会館 こくさいホール

8/22(土)17:30 ザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県立県民文化センター) 大ホール

8/23(日)17:30 栃木県総合文化センター メインホール

8/29(土)17:30 東京・オリンパスホール八王子

8/30(日)15:00 東京・オリンパスホール八王子

9/5(土)17:30 新潟県民会館 大ホール

9/12(土)17:30 サンポートホール高松 大ホール

9/13(日)17:30 福岡サンパレスホテル&ホール コンサートホール

9/19(土)17:30 富山・新川文化ホール(ミラージュホール) 大ホール

9/20(日)17:30 石川・本多の森ホール

9/22(火・祝)17:30 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール

10/2(金)18:30 大宮ソニックシティ 大ホール

10/11(日)17:30 広島上野学園ホール

10/17(土)17:30 なら100年会館 大ホール

10/18(日)17:30 和歌山市民会館 大ホール

10/24(土)17:30 神奈川県民ホール 大ホール

10/25(日)15:00 神奈川県民ホール 大ホール

10/31(土)17:30 函館市民会館 大ホール

11/6(金)18:30 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館) 大ホール

11/14(土)17:30 高崎芸術劇場 大劇場

11/29(日)17:30 岡山市民会館

12/3(木)19:00 東京・中野サンプラザ

12/4(金)18:30 東京・中野サンプラザ

12/11(金)18:30 ロームシアター京都 メインホール

12/13(日)17:30 三重・四日市市文化会館 第1ホール

12/19(土)17:30 札幌文化芸術劇場 hitaru

12/27(日)17:30 仙台サンプラザホール

 

※公演が中止・延期になる可能性がございますので詳細は各公演の公式HPをご確認ください。

 

インタビュー・文/大前多恵

構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載

 

 

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