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車いすバスケットボール 三菱電機WCCレポート

車いすバスケットボール 三菱電機WCCレポート

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レポート

車いすバスケットボールの男子日本代表国際強化試合『三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2018』が、6月8日~10日の3日間にわたって、東京2020パラリンピックの試合会場となる武蔵野の森総合スポーツプラザにて開催されました。

 

車いすバスケットボールならではのルール
日本代表が初優勝を飾る!
試合以外のお楽しみもいっぱい

 

東京パラリンピックの会場で熱戦
車いすバスケットボールならではのルール

同大会は昨年に続く、2度目の開催。参加国は前年度優勝のオーストラリアを筆頭に、今年の世界選手権予選でリオデジャネイロパラリンピック優勝のアメリカと大接戦を演じたカナダ、ヨーロッパの強豪ドイツ、そして開催国の日本を加えた4か国。総当たりの予選リーグを戦い、その結果を踏まえて最終日に順位決定戦が行われます。日本は3戦全勝で予選リーグを勝ち上がり、2勝1敗で2位通過となったオーストラリアと決勝戦で対戦することになりました。

車いすバスケットボールの基本ルールは、通常のバスケットボールとほぼ同じで、5対5の対戦で試合時間は10分4ピリオド。使用するボールやコートの大きさ、リングの高さも同じです。特有のルールといえば、ドリブルの仕方。ボールを保持して車いすを手で漕ぐことを「プッシュ」と言い、3回以上続けてプッシュした場合はトラベリングとなります。2プッシュ以内に1ドリブル、もしくはパスをしなければなりません。また、ドリブル&保持を繰り返して試合を進めるため、車いすバスケには、ダブルドリブルのルールはありません。

車いすバスケの最大の特徴は持ち点制。選手は障がいの大きさによって持ち点が決められています。持ち点は1.0点から0.5点刻みで4.5点まで8段階あり、障がいの程度が軽いほど点数が高くなります。この点数は車いすの後方に記されたマークでわかるようになっています。1.0~2.5の選手を「ローポインター」と呼び、3.0~4.5の選手を「ハイポインター」と呼びます。そしてコート上の5人の持ち点の合計は14点以内と定められています。選手交代に制限はなく、障がいの程度にかかわらず、出場機会を得られるようになっています。


一進一退のシーソーゲームを制して
日本代表が初優勝を飾る!

8月に開催される世界選手権、そしてその先に見据える東京2020パラリンピックに向けて、いい結果を残したい日本代表。小池百合子都知事も激励に訪れ、「この熱気を2020年の東京パラリンピックの成功につなげてまいりましょう」とエールを送りました。

迎えた決勝戦。昨年の大会覇者であり、パラリンピックや世界選手権での優勝経験もある強豪オーストラリア代表に対して、日本代表はスピードを生かした攻撃を仕掛けます。「スタートから出るからには自分が最初に得点を決めてチームの流れをよくしようと思っていた」という村上直広選手(背番号:24)のシュートで先制すると、連続得点で7‐0とリードを奪い、主導権を握ることに成功します。

オーストラリアの反撃を受けて同点に追いつかれると、ダブルエースの一人、藤本怜央選手(背番号:13)を投入。激しいマークに遭いながらも連続得点を決めるなどして、流れを引き戻します。どちらも譲らない展開のまま試合は進み、最後にブザービーターを決めたオーストラリアが30‐28と2点リードで前半を折り返します。

 

最終日は5,173人の観客が来場。大きな「ニッポン」コールで日本代表を後押しします。

キャプテンの豊島英選手(背番号:2)が、「こういった大きい大会で、これだけたくさんの声援というのは力になりました」言うように、日本代表は大声援に応える奮闘を見せます。

第3ピリオドでは一時5点差をつけられ、劣勢を強いられます。これ以上点差を離されたくない場面で、19歳のワンダーボーイ・鳥海連志選手(背番号:5)が起死回生の3ポイントシュート。相手に傾きかけた流れを断ち切り、会場の空気を一変させます。

そしてダブルエースの藤本選手、香西宏昭選手(背番号:55)のホットラインで得点を重ね、粘るオーストラリア代表を突き放して最後は65‐56。一進一退のシーソーゲームを制して、日本代表が見事に優勝の栄冠を勝ち取りました。

決勝戦では藤本選手&香西選手のダブルエースとキャプテンの豊島選手が14得点。他にも村上選手が10得点、鳥海選手が9得点と、日本代表は一人の選手に依存することなく、どこからでも点が取れる強さを発揮。及川晋平ヘッドコーチは、「選手たちがそれぞれ100パーセントの力を出してくれた。ベンチにいる全員で戦うことができたことは先につながっていくと思います」と手応えを口にしました。

藤本選手も「2020年に向かって、メダルを取るバスケはこれだというものをこの大会で確信できた。まだまだ課題は多いですけど、このメンバーで高めていって、2020年はこの地で必ず金メダルを取りたいです」と、力強く語ってくれました。世界の強豪を相手に負けなしでの完全優勝。8月の世界選手権、そしてその先にある東京パラリンピックに向けて最高の大会になったと言って過言はないでしょう。


女子日本代表の特別試合も開催
試合以外のお楽しみもいっぱい

今年の大会は男子だけでなく、女子日本代表と女子オーストラリア代表による特別試合も8日と10日に開催されました。8日の試合で56‐42と快勝していた日本代表は、この日も序盤からテンポのいい攻撃で相手を圧倒。51‐39でオーストラリア代表に連勝を飾りました。攻守にわたる活躍が光った網本麻里選手(背番号:15)がMVPに輝き、ローポインターの萩野真世選手(背番号:10)も8得点をあげてチームの勝利に貢献しました。

障がい者スポーツの普及も目的としている今大会は、試合以外にも来場者が楽しめる催しが多数用意されていました。試合用の車いすに乗ってのフリースローチャレンジや、試合ユニフォームを着用して記念撮影、選手が実際に行っているバトルロープトレーニングの体験、日本代表への応援メッセージなど、さまざまな形で車いすバスケットボールの魅力に触れることができました。車いすからのシュートは想像以上に難しく、体験した方々は選手のすごさを改めて実感した様子でした。

今大会は3日間で昨年を大きく上回る1万2492人の観客が来場。会場の盛り上がりも素晴らしく、内容、結果ともに2020年の東京パラリンピックに大きな期待を抱かせる大会となりました。まだ車いすバスケットボールを生で見たことのない方は、ぜひ会場でその魅力を体感してみてください。

  • 撮影・神田勲/取材&文E佐久間一彦
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