紀元8世紀のローマ帝国を舞台に、王子ピピンが人生のやりがいを模索する姿を描く本作。父・カール大帝に連れられて戦場に向かい、残酷な光景に衝撃を受けるファーストシーンから、反動で快楽におぼれ、革命派から王の暗殺を示唆される中盤、さらに意外な結末にいたるまでが、ハードロックやバラードに乗せてノンストップで綴られる。この難役にそれぞれの魅力で挑んだKimeruと相葉弘樹に、再演に向けての想いを聞いた。
役自体を掘り下げられるから、再演は幸せです
●早速の再演と聞いてどう思われましたか?
Kimeru 公演中から再演を熱望していたので、すごく嬉しかったです。でも僕たちと中尾ミエさん以外のキャストが新しくなるので、いったいどうなるんだろう?
というワクワクする気持ちもあります。
相葉 僕は初めての主演だったので、公演中はもう一杯いっぱいだったんですよ。再演を考える余裕もなくて。でもやっぱり再演と聞いたときには「おぉ!」
と思いました。それはあの大変な毎日がまたくるんだなという意味も含めて(笑)。
●ブロードウェイのミュージカル、それも歌がメインにダンスも仕掛けも盛りだくさんのステージで(笑)。
相葉 そうなんですよ(笑)。途中までは本当にKimeruさんの後ろをひたすらくっついて歩いてました。
Kimeru ヒヨコみたいだったよね。途中で巣立ちましたけど(笑)。
相葉 だから今度はもっと役自体を掘り下げてできるから、再演は幸せだなって思います。
Kimeru “進行役”やカトリーヌのキャストが変わると、僕らピピンとの関係性にも変化が出ると思うので、再演といってもまた違った感じになるんじゃないかな。
一筋縄ではいかない物語。ピピンと一緒に冒険を楽しんで
●昨秋の本番では、お2人が正反対の魅力のピピンになっていましたよね。
Kimeru 日本版の演出の上島雪夫さんが、僕らの個性を引き出してくださったので、自分なりのピピンとして生きれたと思いますね。ただ僕のピピンは若者特有の無邪気さを表現しようとしてちょっと子どもっぽくなってしまった気がしたので、再演ではもう少し僕らの年代の素の雰囲気に近いように演じてみようかと考え中です。
相葉 稽古場ではできないことが多くて本当に苦しんだんですけど、本番では伸び伸びできたのが意外でしたが、楽しかったです。僕がイメージするピピンはもっと無垢なところをもった男の子のように思うので、そこは残しつつ、深いところを足していくピピンにしたいですね。
●最後に、お客様へメッセージを。
Kimeru 笑いとファンタジーが詰まっているけれど、最後には「えっ、こうなるの?」と驚くような、一筋縄ではいかない物語です。ピピンと一緒にいろんな冒険を楽しんでもらえれば。
相葉 無知な状態からいろんな経験を経て成長するピピンは、今の自分に似ているなと感じる役。僕自身の必死さも隠さずに、この舞台にぶつけていけたらいいですね。
インタビュー・文●佐藤さくら 撮影●柴田ひろあき ヘア&メイク●向井雅子
取材中、しきりに「Kimeruさんがいじめる」と訴えていた相葉弘樹さん。話を聞くと、昨秋の『PIPPIN』初演時の稽古は、相葉さんが出演していたミュージカル『テニスの王子様』千秋楽の直後にスタートしたのだとか。
“テニミュ”からの卒業という感慨に耽っていた相葉くんに、Kimeruさんが掛けたひと言は「もう君は不二(相葉さんの役)じゃないからね」!
相葉さんは一瞬涙目になったものの、その言葉で気持ちの切り替えができたそうです。
実はKimeruさんも相葉さんと同じ役を演じ、同じように卒業したという間柄。音楽活動と舞台活動を両立してきたKimeruさんならではの愛情表現なのでした。
相葉さんも「本番中も歌のことでいじめられました」と言うものの、撮影では顔を見合わせるたびに笑いあう2人。Kimeruさんは歌、相葉さんは芝居と、互いの得意分野で助け合いながら本番を過ごしたように見えました。正反対の魅力をもつ2人がWキャストで贈る本作。よりパワーアップした本番に期待大です。
●Kimeru:キメル
'80年熊本県出身。'01年にアニメ『テニスの王子様』のテーマ曲「You got game?」でデビュー。以降、音楽活動の傍ら、独特の存在感で『ROCK'N
JAM MUSICAL』など舞台でも活躍中。この6/18[水]には初のセルフプロデュースによる3rdALBUM『Kimeru』をリリース予定。
Kimeru公式ホームページ ⇒ http://www.kimeru.com
●相葉弘樹:アイバヒロキ
'87年千葉県出身。第16回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞受賞。ミュージカル『テニスの王子様』のほか、ドラマや映画にも出演。期待の注目株である。
相葉弘樹公式ホームページ ⇒ http://aibahiroki.net