F1と並び称されるアメリカンフォーミュラの最高峰インディカー・シリーズ。その舞台に今シーズン、前年度のチャンピオンチーム「アンドレッティ・グリーン・レーシング」から若き侍がエントリーする。その名は武藤英紀、25歳。去る1月下旬、唯一の米国外開催となる第3戦インディ・ジャパンの記者発表で語られた
武藤選手のシリーズへの意気込み、凱旋帰国への想いをお届けする。
チームメートとの0.1秒差が少し自信につながった
●前年度チャンピオンチームからの参戦ですが、意外と飄々とされているように感じます。どん なお気持ちですか?
最初に聞いたときは「ホント!?」って自分でも信じられなかったんです。もう、開き直るしかない(笑)。でも、チームが勝つことに慣れていて落ち着いた雰囲気で、その中にいると「勝てるんじゃないか」と感じてくるんです。
●トップチームというのは、何が一番違うのでしょう?
まず人数ですね。今だに「ナイス・トゥ・ミート・ユー」と挨拶する人がいるくらい(笑)。みんな親切ですが作業が始まると黙々と。プロフェッショナルです。
●テスト走行での手応えは?
チームメートとレースディスタンス(距離)を走ってみた結果、ラップタイムが変わらなかった。ユーズドタイヤで行ったレースセッティングでのテストでは、マルコより0.1秒速くて。少しですが、自信につながりました。チームからも「驚いた」と評価してもらえました。
日本人にとっては大きいけれどチームには難しい目標ではない
●昨年参戦されたインディ・プロシリーズとの違いは感じられましたか?
最高速が50km/hくらい違って300km/h台になるんですが、200km/h台とは別世界。今までいろんなカテゴリーでレースをしてきましたが、最初はスピードに目がついていかなかったです。
●インディ・ジャパンは凱旋レースとなりますね。意気込みを。
インディ500は(チームメートの)トニーが獲ると言ってたんで、インディ・ジャパンは僕が──マルコは譲ってくれないかも知れませんが(笑)。凱旋レースの経験はないですが、たくさんの人が応援に来てくれると思うので、気持ちの後押しがあると思います。みんなと一緒に喜びを分ち合えるよう……、勝ちます!
●これまで、まだ日本人の優勝者は出ていませんが、勝てそうですか?
10数年、日本人がチャレンジしてきて誰も勝ってないわけですから、大きな目標には違いないですよね。だけど、チームとしては1勝はそう大きなものではない。1戦1戦確実に戦っていけば、自ずと結果は出るのではと感じています。
文●編集部 撮影●上田寛之