
中島 |
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「私も吾朗さんに聞いてみたいんですよ!(笑)初めて観たときは、どういう印象を持ったんですか?」 |
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| 吾朗 |
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「すごい作品ですよ。“映画はストーリーを観るものだ”ってよく言われるんですが、改めて、アニメーションにおける絵の大切さを知りました。ものすごく雑な話をしてしまうと、ペトロフ監督が創り上げた映像をを見ていると、ストーリーがかすむくらい、絵の魅力そのもので観れてしまう。すごいです。この人が一人いれば、CGなんていらない。そのくらいのことをやっています」 |

中島 |
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「もともとペトロフ監督は画家になりたかったらしいんですよ。アニメーションの世界に行き着いたんだけれども、一枚の絵に対抗するための芸術作品を作ることが目標なんですね」 |
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| 吾朗 |
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「彼は自分のアニメーション技法の特徴をよく理解していて、背景とキャラクターが一緒になってメタモルフォーゼするような見せ方は、この技法だからできる。セルアニメだと、背景とキャラクターを別々に描くのであの表現はできないし、CGでもうまくいかないと思います。背景とキャラクターを切り離さず一緒に動かしながら、破綻させずに作りこんでいるのがすごい。生半可は絵力じゃないですね」 |
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| 中島 |
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「パンフレットを作るときに、フィルムから絵を抜こうと思ったんですね。どこを切り取っても絵になるだろうと思っていたのですが、実は(輪郭のはっきりした)キレイな絵が全然なかったんです。常に動きと揺らぎがあってはじめて完成した絵となるので、止まったキメの絵を見つけるのに本当に苦労しました」 |
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| 吾朗 |
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「必要以上には描き込んでいないんですよ。動いて画面がゆらゆらして見えることも、自分の技法の特徴としてペトロフ監督はとらえていて。一枚の絵としてどう作りこむかよりも、動いたらどう見えるかをわかって描いている。あんな手法なかなかできないですよ」 |

吾朗 |
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「ひと言で言えば、思春期の悶々とした感情、なんとも言えないむずむずとした感情を描いた作品。男性諸氏のからは、ものすごい共感を呼んでいるようです(笑)。また、純文学的なアプローチがあり、ロシアの伝統そのものを観ることができる作品です」 |

吾朗 |
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「あの時代に比べて、いまの恋愛はとてもフリー。一見障壁がないし、情報も多い。主人公のアントンのように悶々とした気持ちを抱える機会は、現代では少ないかもしれませんね」 |
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| 中島 |
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「アントンのように壁があったほうが燃える要素が多くて、恋愛は豊かになるのかも(笑)」 |
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| 吾朗 |
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映画の中で手紙に思いを綴るシーンがあるのですが、私も昔を思い出しました、そういえば手紙だったなぁって。手紙をしたためたり、相手からの返事を待ったりするような、“うーっ”となる時間があるのはいいことだと思います。自己と対話をすることができますからね」 |

中島 |
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「オランダのマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督が手がけた8分のショートムービーで、幼い日に去った父を思う少女が成長していく姿を活写しています。とても単純な話なのですが、何度観てもクライマックスに鳥肌が立ってしまいますね」 |
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| 吾朗 |
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「ペトロフ監督とは逆にシンプルな線使いが印象的で。ペトロフ監督の作品がアニメーションの可能性を見せてくれるとしたら、こちらはシンプルな線でもアニメーションはこんなに豊かな表現ができるんだってことを示してくれています。作品を比較して観ると、面白いんじゃないでしょうか」 |