多くの舞台に出演し、時速246や劇団EXILEの立ち上げにも参加してきた俳優・平沼紀久の初プロデュース公演が12月、東京・シアターモリエールで上演される。出演者でもある平沼紀久と、主演の永山たかしの2人に話を聞いた。
歌舞伎町を拠点にする、様々な立場や職業の人の物語
●まずは、どのような内容の舞台になるのか、教えてください。
平沼 現時点ではまだ脚本の最終稿が上がってないので具体的には言えないんですが(苦笑)、新宿の歌舞伎町を活動の拠点としている様々な立場や職業の人たちのお話です。ある事件をきっかけに、それぞれが抱える悩みや問題がどんどんつながり、物語が展開していきます。
永山 (登場人物たちが)心に何かを抱えながら芝居は進んでいくんです。演出・脚本の飯塚 健さんは話の持っていき方がすごくうまい人なので、かなり面白い作品になると思いますよ。
●お2人が考える、飯塚さんの脚本の魅力とは、どこにありますか?
永山 ちょっとしたひと言がすごいパンチ力をもっていることと、キャラクターが温かいことかな。すごく悪い人は出てこないから嫌な気持ちで終わらないんです。
平沼 独特な言葉遊びも多いです。彼の本業は監督なので映画の匂いもする、ちょっと不思議な舞台になるかと……。
空気感が共有できて心に何かが残る舞台にしたい
●お互いの印象を教えてください。
平沼 こっちが仕掛けた芝居には、いろんなパターンで返してくれるのですごく芝居がしやすい相手。ただ稽古中に人のものを隠したり……。子どもですね(笑)。
永山 それはいたずらをしても大丈夫な人だって分かってるから。平沼さんは誠実なようでいてかなり適当ですね、それは普段も芝居も(笑)。でもそれが不思議な魅力になっているし、年下にも好かれるゆえんなんだろうなって思います。
●気心の知れた3人を中心に作り上げられる舞台なんですね。では、この舞台に向けての意気込みを聞かせてください。
永山 僕はいつも通り、自然体でやれたらなと思います。客席と空気感を共有して、お客さんと“一緒に創る”ことができるような舞台にしたいですね。
平沼 基本は楽しく、ですね(笑)。海田庄吾が音楽を担当してくれることも決まっているし、僕のプロデュースだからこそ、このメンバーで、こういう作品ができたと言えるような、エンタテインメントにしたいですね。観てくれた人の心に何かが残るような作品になるとうれしいです。
インタビュー・文●木村由理江 撮影●柴田ひろあき
兄弟のような仲のよさで作り上げる本作に期待!
2歳違いの平沼さんと永山さんの雰囲気は、役者仲間というよりまるで兄弟のよう。大らかな兄としっかり者の弟という感じで、テンポよく会話が弾む。「初めて共演した舞台の本番中にノリさん(平沼さんのこと)がなかなか出てこなかったことがあって。僕が慌てながら一生懸命つないでたら、“俺は失敗してないよ”みたいな顔で出てきた。反省の色、全然なかったよね(笑)」(永山)、「いや、楽屋ではながやん(永山さんのこと)に相当謝りましたよ(笑)」(平沼)、「その時の“ごめんね”がまた軽くて。ないよね、誠実さが(笑)」(永山)。いたずらっぽく責める一方で、永山さんは「ノリさんは絶対に怒らない人」と信頼感を示す一面も。さらに、今作で舞台となる歌舞伎町には、芝居を観に行く以外で足を踏み入れることはほとんどない、という話題になると……。「ちょっと偵察に行こうよ」(永山)、「そうだね」(平沼)、「ノリさんのお金で(笑)」(永山)、「(笑)」(平沼)。笑顔にあふれた今回の取材から、息の合った面白い芝居になりそうだと確信しました。
平山紀久:ヒラヌマ ノリヒサ(左)
'76年神奈川県生まれ。劇団「方南ぐみ」の舞台をはじめ、数多くの舞台、ミュージカル、ドラマ、映画で活躍。また、漫画兄弟の末っ子として“納豆侍
まめ太郎でござる”(キッズデザイン賞受賞)の文章を担当。月に1度、幼稚園での読み聞かせも実施。
永山たかし:ナガヤマ タカシ(右)
'78年神奈川県生まれ。「テニスの王子様」へのミュージカル出演をきっかけに、舞台、ドラマ、映画などで幅広く活躍する。一方、自ら作詞、作曲も行い、精力的にライヴ活動も行っている。