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●約14年ぶりの新作ですが、なぜこんなに間隔が空いたのでしょうか?
「ねえ(笑)。“もう14年かよ”って、自分でもびっくりするんですが、ずっとボケーっとしていたわけではないんですよ。93年に『T』と『Songs』という2枚のアルバムを同時発売して、疲れたというのがありまして(笑)」
●その反動があったわけですね。
「ええ。で、その後の3、4年はほかの人のプロデュースなどで忙しかったんですが、そうこうするうちに7年前にスペインで首締め強盗に遭い、声が出なくなって、声変わりして。リハビリの日々で半年が過ぎたという感じだったんですよ。声帯の筋肉を固めるための発声練習を兼ねて、昔から好きだった洋楽を歌っていくうちに、自分がやりたいものを見つめ直すことができて。それで、アルバムを作ろうって思い立ったんです。結局、それからでも6年ぐらい経ってしまったんですけど(笑)」
●その6年間はいかがでしたか?
「デモを作り始めて、ちょこちょこと形にしては中断して、新しいのを作ったりしていました。やっていると、つい新しい曲を作っちゃって、なかなか形が見えなかった。前からオリジナル・アルバムを作った後で、ほかの人に提供した曲をまとめた作品を作ろうと思っていたんですが、そっちを先にやることにして。それで昨年、セルフカバー・アルバム『MELODIES』を先に作って出したんですよ。あれを作ったことで、いろいろと整理できて、目からウロコなこともあって、今回、完成に至ったということですね(笑)」
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●1曲目の「もう少しがんばってみよう。」はどんなところから?
「最近、“夢を見なきゃいけない”という脅迫観念が社会全体にあるような気がするんですが、“夢に向かって頑張ろう”って大上段に構えて言うのもどうなのかなって。肩に力が入っているか、あきらめているか、そのどっちかというような両極端なところではなくて、“もうちょっと頑張ってみようかな”って感じている状態を、そのまま歌いたいと思ったんですよ」
●歌声の表情も実に豊かだと思ったのですが、ご自身ではどう思っていますか?
「音域、性能的に言えば、昔より落ちるんだけど、今の自分の声のほうが好きなんですよ。“40からは自分の顔に責任を持て”って言うじゃないですか。声も、そういうとこがあるんじゃないかなって。昔は声が出たので、逆に無理していた部分もあったんですが、首締め強盗の一件で声変わりして、無理せず歌えるようになったのが結果として良かったな、と思います。今回は、自分が音楽に求めていたのも“味わい”みたいなものだったので、人工調味料を使わずに、ちゃんとアミノ酸のおいしさが出るように仕上げたという感じですね」
●制作で印象に残ったことは?
「長い期間作っていたから、いろいろとあったんですが、『瞳を閉じれば〜Let's dance』の歌詞は3ヵ月くらいかかりましたね。ここ何年か、よく沖縄へ行っているんですが、結局、沖縄で詞を完成させました。最後の1行が“君に会えてよかった”で終わったことが、すごくよかったなと思っています」
●聴き終わった時に、明日への糧を与えてくれるアルバムという印象も受けました。
「最後に希望を感じさせる終わり方、夜明けにつながるような終わり方をしたいな、と思ったんですよ。そういう曲がほしいと思って『明日へ』を作りました。最後は、スッキリと終わりたかった。前向きな歌、後ろ向きな歌、どれもひっくるめて自分だと思うんですが、“前に進まなきゃしょうがないだろう”という感じは出たかなと」
●「One Night」というタイトルはどういう流れでつけたんですか?
「もともと、夜型の人間というか、夜の世界に生きてきた男なので、実際にどのシーンを思い出しても、夜ばっかりなんですよ(笑)。もし新作のそれぞれの歌に枕詞をつけるとしたら、“ある夜に”というイメージのものが多かったので、『One Night』がいいかなって」
●そのうち、朝が来るということも予感させるタイトルですね。
「いつのまにか夜が明けて、朝になっていたりしますからね(笑)」 |
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「 One Night 」
5/23[水]
極上のポップスでありながら、織田哲郎の体温がストレートに伝わってくる世界が素晴らしい。表情豊かな歌声、深みのある歌詞。声高に夢や希望を歌うわけではないのに、明日への糧となっていくパワーを備えている。かけがえのない瞬間を永遠の中に封じ込めたかのような魔法の音楽がここにある。
UNIVERSAL J
¥ 3,000 (税込) |
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| オダテツロウ●1979年にユニット「WHY」を結成し、アルバム「WHY」でデビュー。83年にアルバム「VOICES」でソロ・デビュー。以後、ソロ、バンドの一員、作曲家、作詞家、プロデューサーとして幅広く活躍。最新作「One Night」を5月23日に発表。
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