前作『ORANGE RANGE』以来、じつに1年半ぶりのオリジナルアルバムがいよいよ完成!「君 station」や「シアワセネイロ」などの感動曲はもちろん、彼らならではの遊び心豊かなナンバーをこの『PANIC
FANCY』はたっぷり収録。さらに続く全国ツアーに向けてもテンション上昇中な彼らの、アルバムの仕上がり通りなはっちゃけムード満点のインタビューをお届けします!
わりと時間をのんびり使えたのは大きい それは大きな違いかな
●オリジナルアルバムはインターバルが空きましたね。前作と今作を比較すると、どんな印象があります?
HIROKI「やり方自体は変わってないと思うんですけどね。でも、まず単純に、前作までは1年周期でやっていて。年末に(アルバムを)出して、っていうサイクルがあったじゃないですか。でも今回は、ベストを挟んで1年半ぐらい空いてるわけだから……。全部が全部を制作に使ってるわけではないけど、でもその前半はわりと、プリプロというかのんびり時間を使えたから。それは大きな違いですかね」
●制作の基本は変わらないけれども、精神的なものは大きかったですか。
HIROKI「かなり!だから、曲数も溜まってたしね。その中からのチョイスって感じです、今回は」
●そこからの厳選っていうことで、今回の曲の採用基準は?
NAOTO「まぁ、本当に、拍子抜けすると思いますが(笑)。“これは取り組みやすそうだな”とか、“楽しそうだな”とか(笑)。でもね!レコーディングまで行って、曲としてちゃんと出来てたのは17〜18曲ぐらいあったんですよ。そこからの厳選ですから、もう……。スタメンですよ!スタメン発表です、今のウチらの(笑)」
●厳しい練習を乗り越えたスタメンだから、実力は折り紙つきで(笑)。でも本当に、さっきの“楽しい”っていうのはよく分かりますよ。曲のラインナップはバラエティに富みまくってて、最後まで全然飽きないです。
一同「ありがとうございまーっす!」
俺の感覚ではかなりシビアだったんですよね楽しいっていうより(笑)
●じゃあその“楽しい”ってところで、本人的に特に“楽しい”曲は?
RYO「「Happy Birthday Yeah! Yeah! Wow! Wow!」!俺はやっぱこれかな。本当にこれは、単純に楽しい。歌詞もなんのヒネりもなくやってたんで。誰かの誕生日にカラオケで歌われたらいいね、みたいなイメージで(笑)」
●パーティソング的な。管楽器がハデで、にぎやかですよね。
YAMATO「うん。“祝うよ”って歌詞がもう先にあったから、俺は逆に、祝ってもらってうれしい側というか。でもなんにもいらないよっていう感じを書いてみたんですけど。プレゼントは何もいらない!君がただ、そばにいるだけでいいよと。こんな幸せなことはみんなで分け合おうよ、っていう」
●プレゼントは物じゃなくて心で、みたいな。いい話ですねぇ〜。
HIROKI「でもコイツ、ファンの人からのプレゼントにゴルフボールないか一生懸命探してますから(笑)」
YAMATO「あれだけゴルフが好きっていろんなとこで言ってるのに、全っ然来ないんですよね……(笑)」
●心温まる話が台なし(笑)。軌道修正します!という楽しいアルバムを、あらためて制作面で振り返るなら?
YOH「スタジオに入ってフレーズを考えるとか、曲の世界を広げるとか。そういうのはわりとなかったんですよ、今回の制作は。デモの段階からビジョン的なものはすごくあって、“もうこれで完成でいいんじゃない?”っていう曲ばっかりだったんですよ。だから、いかに近づいていけるか、っていうか。そのビジョンまで、しっかり。だから、俺の感覚ではかなりシビアだったんですよね。楽しいっていうより(笑)」
ふさわしいと思うんです!『PANIC FANCY』ってタイトルは
●なるほど。これだけネタをたくさん詰め込んでたら、演奏はシビアに向き合わなきゃいけないですね。「5」なんかは特に無茶な曲ですし、めちゃくちゃ良い意味なんですけど(笑)。
NAOTO「これは、みんなでそれぞれのパートを作って、集めてったんですよ。集金です、集金(笑)」
●“はやく金払え!”的な感じで、“はやくアイデア出せ!”と(笑)。その5つのパートを集めたから「5」、というわけだ。ダンスホールレゲエからシューゲイザー的なパートまでめちゃくちゃ多彩なブロックがあるのは、みんなの好みを1曲に閉じ込めたから?
HIROKI「そう。で、バコーンと合体させて。でも……。お金なくてねぇ、そのとき(笑)。でもいきなり、(ドアを思いっきり叩く仕草)“ドンドンドンドン!”って。“金出せ!”ってこの人(NAOTO)が言うもんだからもう、いっそいで作った(笑)」
●(笑)「現実逃避」も、負けず劣らずの仕上がりですよね。歌詞に“パニック”って出てきますけど、アルバムタイトルはここから繋がったとか?
NAOTO「ぶっちゃけ……。ないんですよ(笑)。大きい理由は。“パニック”と“ファンシー”って言葉が、あるときパッと出てきたんで。でも、ふさわしいと思うんです、俺は!
このアルバムに、『PANIC FANCY』っていうタイトルは。このタイトルがあった上でこの曲(「現実逃避」)とかを聴いても、すごい良いと思うし。俺が想像したのは、例えば……。血まみれになったかわいいウサギとアヒルが、“うわぁーっ!”って(笑)。しかもみんな笑ってて、画づらはかわいいんです」
●“おとぎ話”って歌詞もありますし、雰囲気はファンタジーで。でも、かなりぶっ飛んでもいて(笑)
NAOTO「そう(笑)。なんか、合ってない? この曲もだけどさ、アルバム自体のイメージにも。森で木こりがすごい顔して木切ってたり(笑)。“楽しいいぃーっ!”って」
●あのぉ……。まわりで苦笑してる人もいるんですけど、若干(笑)。
RYO「すげぇなぁ……。ウサギとアヒルが出てくること自体(笑)」
NAOTO「かわいいの代名詞かと思ってさ、ウサギとアヒルが(笑)」
YOH「でもなんか、そういう話もしましたよね。かわいいっていうか、ポップだけど、みたいな……」
●あ、はい。前のツアーのタイトルで。“devil pop showcase”っていう。ポップなんだけど毒もある、みたいな感覚がオレンジレンジの個性じゃないかって話を。
YOH「うん。そんな感じはあるんじゃないですかね、このタイトルも」
いろんな人たちに対して見せやすいツアーになるんじゃないですかね
●ポップでかわいくて楽しいけど、毒もパニックな仕掛けも満載で。オレンジレンジらしい作品になったと思います!でも、ライヴで再現するのが心配な曲もあるような……(笑)。
RYO「(笑)「5」とか、かな」
HIROKI「「5」は……。ツラいでしょう(笑)!ツラいし、あれさぁ、待つのがツラくない?」
NAOTO「あ、そうだねぇ〜(笑)。みんなのパートを」
YAMATO「だから、想像するに、1人ずつ出ていくわけよ、舞台から(笑)。自分のパートやり終わったヤツから、順番にハケていく(笑)」
HIROKI「まぁ現実、それしかないかもな……(笑)。会場のどっかに俺がいる、とか。“バーン!”ってドア開けて、客席歩きながら歌って(笑)」
●あんまり言うと実現させなきゃいけなくなりますよ(笑)。YOHくん、最後をビシッとしめてください!
YOH「(笑)そうですね。まぁ例えば、さっきの話の、アルバムの曲のライヴでの再現性みたいなところでは、音質自体は曲によってそれぞれなんで、問題はたぶんないっすね。その曲その曲に対する自分のプレイを、しっかりやれれば。演奏が大変そうな曲はあると思いますけど、もちろん(笑)。でも……。うん!
頑張りますよ」
YAMATO「見せやすいライヴにはなるかもしれない。今回のツアーは、ホールなんで。ライヴハウスとは違って椅子もあるから、お客さんにもある意味優しい会場になると思うし。そうするとやっぱ、年齢層も広がるじゃないですか。小さい子も来れれば、年上の方たちも座って見れるとか。だから、いろんな人たちに対して見せやすいツアーになるんじゃないですかね」
インタビュー・文/道明利友 撮影/ホンゴユウジ スタイリング/徳永貴士 ヘアメイク/藤原羊二(e・a・t…)