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シングル&アルバム+ライヴ攻勢で進化したスタイルを披露!
 2005年、06年とひたすらライヴに明け暮れた陰陽座が、アルバム「臥龍點睛」以来、約2年ぶりとなる新作をリリースする。まず、6月27日に4曲入りのシングル「黒衣の天女」を、次いで7月25日には7thアルバム「魔王戴天」を発表。さらに音源を引っさげたツアーも決定。新作について「変化というよりも、進化を遂げた作品だ」と語る、バンドのリーダーであり、メインコンポーザーの瞬火に話を聞いた。


あらゆるものを内包している、陰と陽を体現するバンド

 
 

●まず、陰陽座というバンドの歴史を聞かせてください。

「1999年に大阪で結成しました。出会った頃は、みんな仕事をしていました。休日をバンド活動にあてる、いわゆる社会人バンドだったんです。“天下取ったる!” “メジャーデビューしたる!”という意気込みはなくて、いいと思うことを好きなペースでやろうというバンドでした」


●なるほど。それがどういった経緯でデビューすることになったんですか?

「僕が思っていたマイペースが精力的過ぎたみたいで(笑)。誰に出せと言われたわけでもないのに年に一度アルバムを作ったり、ライヴも頻繁にやっていました。それでアルバムを2枚出したときに、レコード会社の人に声をかけてもらったんですよ。2001年ですね。仕事にもバンドにもやりがいを感じていたから、正直どちらの道に進むか迷いました。でも、僕は広告代理店に勤めていたのですが、代理店ならデビューした後でも自分の努力次第で戻ることができるんじゃないかと思ったんですね。それに比べてデビューのチャンスは、そのときを逃すと、もう2度とめぐってこないかもしれない。それでバンドに専念することにしました」


●現在の和風なコンセプトは、いつ頃決めたのですか?

「結成よりもだいぶ前ですね。初めて陰陽座としてライヴをしたのは99年6月だったんですが、そのときにはもうコンセプトは固まっていて、和風の衣裳でヘヴィメタルをやっていました」


●コンセプトの意味を教えてください。

「陰陽座というバンド名が示すとおり、“陰と陽がある一座””です。陰陽五行とかと同じ思想なんですけど、あらゆるものは光と影や白と黒など、相反するものを持っている。世の中は完全に良い悪いで割り切れるものではないですよね。それが陰陽座のテーマになっています。それと、僕は日本が大好きで、日本人であることを誇りに思っています。特定の時代背景を決めているわけではないのですが、パッと見て和を感じるイメージを作りたかったんです」



何かまがまがしい大きな力が、強い影響をおよぼすような作品

 

●ニュー・シングル「黒衣の天女」は、4曲入りと豪勢ですね。

「この2年、新作の音源を出さずにライヴばかりやっていましたから、ファンのみなさんに“お待たせしました”という意味を込めた仕様になっています。陰陽座の4人の作曲陣が、それぞれ1曲ずつ担当しているのも同じ意図。ふり幅の大きなバンドなので、それぞれの個性を感じていただきたいです」


●詞の内容はいずれも明るい感じではないですね。

「現代を生きるうえで、明るい気分ばかりではいられないというのは、誰にでも共通する感覚だと思いますが、だからといって暗いことばかり込めているわけでもなくて、根っこにあるのは、現代が特別に酷い時代だというわけではないということ。いつの時代でも人間が群をなして生きていくということは厳しいものだと思いますし、“昔はよかったけど現代はダメ”という考え方は、“隣の芝生は青い”とも言えるような、短絡的な考え方だと思うんです。つまり、“辛いのも哀しいのも全部時代が酷いから”と、時代のせいにするだけでは当然明るい未来などないと思いますし、よりよい時代、よりよい人生のためには都合のいいところだけ見るのではなく、光の面も影の面も捉えないといけないと思うんです。そういう意味で、多角的な視点で書かれた歌詞になっているつもりです」


●わかりました。そしてシングルの次はアルバムのリリースですね。

「タイトルは『魔王戴天』です。これは、織田信長が“魔王”と呼ばれ恐れられていたことから持ってきたネーミング。決して信長のことを歌っているわけではないのですが、その存在の意味というか、何か巨大な実行力と推進力を持った存在や行為を“魔王”と位置付ける、というイメージです。後世に与えた影響の良し悪しは判断できないことですが、とにかく強い意志で事を成す。なので、これまでの作品に対して“強さ”を強調した1枚になっています。陰陽座としては、変化したという感じよりも進化を遂げた作品という位置づけですね」


●シングルの収録曲はすべてアルバムでも楽しめるんですか?

「いえ。アルバムには表題曲の『黒衣の天女』だけ収録されます」


●いい曲ばかりなのにもったいない! このシングルは2枚にわけることができる4曲だと思いましたよ

「シングルのカップリングでも力は抜きたくないですから、そう言ってもらえるとうれしいですね。カップリングをアルバムに入れないのは、やっぱりシングルを待っていてくれた方への誠意を示したいからです」



力強いアルバムの勢いや熱気を動的な生き物として開放する!
 

●アルバムリリース後にはツアーが控えていますね。

「今回は、アルバムのお披露目ツアーです。タイトルは“天下布武”。これも織田信長から着想を得たタイトルで、“武や武家の力を持って天下を制する”というような意味ですが、力強いアルバムの勢いや熱気を、動的な生き物として開放したいと思います」


●なるほど。では最後に、作品やライヴを楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

「作品、お待たせしました。“2年待ってよかった!”と思ってもらえるものになっていると思います。楽しみにしていてください。もちろんライヴでも思いきり叫んで暴れて、盛り上がってください!」

 


 ヘヴィメタルというジャンルは、決してメインストリームではなく、長く人気を獲得することは難しい。それだけに、歴史と実績を重ねる彼らがいかに高いポテンシャルを持ち、質のいい曲やステージを作り続けているかがわかるだろう。さらなる進化を遂げて動き始めた2007年の陰陽座。その美しくもまがまがしい楽曲&ライヴで、彼らの構築する世界観に浸ろう!

アルバム

photo 『魔王戴天』 【まおうたいてん】

発売日:2007年7月25日
発売元:キングレコード
品 番:KICS-1314
価 格:3,000円(税込)

プロフィール

オンミョウザ●(写真左上から時計回りに)斗羅(Dr)、黒猫(Vo)、瞬火(Vo&B)、招鬼(G)、狩姦(G)。キャッチフレーズは“妖怪ヘヴィメタル”。ほぼ日本語だけで構築した歌詞や平安装束のようなステージ衣裳で、和風のイメージを構築。ツインヴォーカル&ツインギター・スタイルで、ライヴ・パフォーマンスでも高い評価を受ける。

インタビュー・文●井上晶夫
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