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インタビュー

ツアーでは「蕾」はもちろん
新曲もできるだけ聴かせたい
 昨年発売した初のベスト・アルバム「ALL SINGLES BEST」が250万枚を超える大ヒットを記録し、今や誰もが認める国民的アーティストに成長したコブクロ。3月21日には、ドラマ「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の主題歌として起用されたシングル「蕾」をリリース。ドラマのために書き下ろしたというこの曲の中には、彼ら自身の思いもリアルに描かれている。


“小渕の気持ちを歌うべきだと思ったんです

 

●「東京タワー」のストーリーの中に、自分自身と重なる部分があったそうですが。


小渕
「そうですね。母の存在、父の存在、地元と東京、夢。経験していることもビックリするくらい重なっていました。だから、歌詞を書き始めた当初はドラマのことと自分のこと、どっちつかずになってしまって、なかなか書き進められなかったんです。そんな時、黒田が“もっと自分の中のことでいいんじゃないか”“確かにドラマもあるし原作もあるけど、それはそれ。ドラマと切り離してもこれはいい曲だ”と言ってくれて。そこからはポコポコと歌詞が生まれましたね。黒田はいつも僕が揺れている状態の時、そこに何グラムかの重りを乗せてバランスを取ってくれるんです。僕がどう揺れているかをズバッと見抜く。そのことを改めて思いました」


●黒田さんは、どんな思いで小渕さんに言葉をかけたんですか?


黒田
「ドラマ主題歌のオファーを受けているからには、当然『東京タワー』のことを考えなければいけないんですけど、これからもコブクロとしてこの曲を歌っていくことを考えた時、原作者であるリリー・フランキーさんの気持ちより小渕健太郎の気持ちを書いて歌っていくべきだと思ったんですよね。小渕の気持ちは十分ドラマのストーリーと重なっているし、私的なことこそ実は客観的で、みんなが思うようなことであったりするんじゃないかと思ったので」


●お二人は、東京タワーに登ったことがありますか?


黒田
「デビュー直後ぐらいの時に、雑誌の取材で登りましたね。俺、その1回だけちゃうかな」
     
小渕 「僕は、『蕾』を作ってから行きましたよ。曲のデモをiPodに入れて、なんというか、答え合わせに(笑)」
     
黒田 「答え合わせか(笑)。なるほどな」
     
小渕 「2番のね、特に2コーラス目あたりがリアルに書けているかなって。僕、2番のAメロ・Bメロの歌詞が特に好きで、“ビルの谷間に”から始まって“この街に落とされた影法師 みんな光を探して”ってところが自分なりの東京だと思っているんですよ。ビルがある寂しさと、でも都会だからこそ頑張れるっていうのあるじゃないですか。東京タワーの上から街を見下ろしながら、そういう気持ちを書いたことを“そうだなぁ。間違ってないなぁ”と思って」
     
黒田 「イメージと合致してたんや」
     
小渕 「うん。それで、東京タワーって中に神社(タワー大神宮)があるんですけど、そこにお参りして“(この曲を)よろしくお願いします”ってお賽銭を入れてきました(笑)」


●初めて東京タワーを見た時、感激しました?


小渕
「いや、そんなに(笑)。僕ら、東京タワーがどんな存在のものか知らずに、ただの観光名所やと思ってたんで(笑)」
     
黒田 「僕、大阪出身やからかわからないですけど、東京が憧れの街じゃないんですよね。どっちかって言うと、“(東京になんか)染まるかぁ”みたいなところがある(笑)。それに、東京タワーのまわりってふつうの街じゃないですか。でも、通天閣のまわりって通天閣なんです。わかるかな、これ。伝わるかな?」
     
小渕 「わかる、わかる(笑)」
     
黒田 「な?(笑) 通天閣の周りって、めちゃくちゃ特殊なんですよ。女の子1人では歩けないくらいディープな街。やっぱ、そっちのほうがいいなって思うんですよね(笑)。東京に来るようになってからのほうが、東京タワーを東京タワーとして見られるようになった気がします」


ツアーには新曲という蕾たちがいっぱい
 

●カップリングの「彼方へ」は、昨年のツアーの1曲目に披露していますね。


黒田
「アップテンポで、こんなに湧き出ている感じのある曲って、これまでなかったですね。いい意味で“バーンと作って、ドーンと出来ました"みたいな曲。そういうのって、作ろうと思っても作れないんですよね。ホントは僕、これが次のシングルの1曲目になるんじゃないかと思っていたんです」
     
小渕   「こういう曲を歌ってみて思うのは、黒田ってやっぱりロックな声なんですよね。この曲は、黒田の声のイメージにすごく合っている。でも憂いがあるのは、黒田の声に説得力があるからっていうか、アホな歌詞の歌が似合わないのですよ。こんなにアホなのに(笑)」
     
黒田   「アホなヤツがアホなこと歌ったら、ただのアホやからな(笑)」
     
小渕   「だからそうならないように“揺らめく時代の彼方へ”という、ちゃんとした歌詞を書きました(笑)」


●6月から再び全国ツアーがスタートしますが、今回もそのための新曲が?


小渕
「もちろん。今回は、新曲をできるだけ多くやりたいと思っています。当然、絶対はずしたくないシングルやアルバム曲もあるんですが、それ以外は新曲にしたいなって」
     
黒田   「今回のために集めた“誰それ?”みたいな新人の高卒ルーキーが4番バッターとして主軸にいて、ベテラン選手はバントとかでうまいこと抑えてくれる感じ(笑)。新人選手たちがどれだけの仕事をしてくれるか、僕らも楽しみですね」
 

 数々のヒット曲を生み出し、多くの夢を叶えてもなお、新たな夢の蕾を胸に抱き続けるコブクロ。今後も、さらなる快進撃が期待できそうだ。

アルバム

photo 「蕾」
発売中

ドラマ主題歌として物語の世界を描きつつ、1人で歩き出す決意や希望と不安に揺れる心なども織り込まれ、新生活がスタートする春にピッタリの曲。カップリングには武道館ライヴでも披露した2曲を収録。

ワーナーミュージック・ジャパン
初回限定盤¥1,500(税込・DVD付)
通常盤¥1,200(税込)

プロフィール

コブクロ●(写真左から)黒田俊介(Vo)、小渕健太郎(Vo&G)。1998年、大阪で結成。インディーズ活動を経て、2001年にシングル「YELL〜エール〜/Bell」でメジャー・デビュー。昨年は初の武道館公演を成功させたほか、初のベストアルバム「ALL SINGLES BEST」がダブルミリオンヒットを記録した。

インタビュー・文●松本純枝
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