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全部において、来て良かったと思わせるライブを作りたい
昨年夏にソロ活動を開始したキリト。今年第一弾のシングルは「TEAR」。一度聴いたら耳から離れないポップさがありながら、切なさも胸に残す、いろいろな感情の詰まったナンバーだ。このシングルに続いて、続々とリリースの予定があるとのことだが、なんと2度目の全国ツアーも決定! ソロ活動について、キリトに直撃してみた。

いろんな驚きを用意するつもりです

 

●ソロ作品の制作というのは、心理的に違いはあるのですか? 今回の「TEAR」はいかがでしたか?

「あんまり深いことは考えずに、深い意味を持たせずにという感じで作業をはじめましたね。とはいえ、意味がないわけではないんですけどね(笑)。昨年の夏にリリースした『DOOR』という作品からつながっている部分もあるし、自分の今の“心境”というのが言葉にもなっているんですけど。『DOOR』という曲があえて閉鎖的なサウンド、メロディだったので、そこから次に進んだときに、“ドアを開いた先の世界”っていう部分では、サウンド的には逆に開放的な感じで。疾走感とか開放的な空気感だったりとか。あくまで、ポジティブなパワーみたいなものを前面に出そうと思って」

●メロディも爽やかな雰囲気ですよね。

「うん。今までの自分のキャラには合っていない感じなんですけど(笑)。ただ単純にひとことで爽やかっていう感覚でもなく、ポジティブに前に進もうとしている、その裏側にある感情だったりもこの曲には込められているわけで。だから、こういう曲にもかかわらず、タイトルが『TEAR』っていうことにも意味があるわけですけど。人間誰しも、いつも前向きに、いつも笑顔で生きているわけじゃないですからね。例えば、人から“いつも悩みがなさそうでいいね”なんて言われている人に限って、ホントはすごい悩みを抱えてたりするわけで。でも、そういう人ほど表に出ると、周りの人の気持ちも考えて、強くあろうとする。そういう“力強さ”みたいなものを考えながら作ったんですよね」

●様々な感情が見えてくる作品に仕上がっているのは、そういう理由からなんですね。

「そうですね。影の部分にも目をそらさずに、キッチリと向き合ったうえで、前に進んでいく力っていうものを意識して作った部分があります。それでいて、この作品では単純に歌として誰でも口ずさめるメロディだったり、“耳に残るメロディを作ってみたい”って思いもあったし」

●アルバム制作も始まるわけですよね。今の作業状況はいかがですか?

「僕はスロースターターなんで、寸前になってドカンとやりはじめるんです(笑)。今はかなりニュートラルですが、すごくカオスな状態でもある。そのカオスが時間が迫るにつれて形になっていく。形になってからは作業的には早いんですよ。でも、そのカオスの状態って、いろんなものが自分の頭の中に泳いでて、どこに向かおうとしてるのかわからない状態が自然に固まっていくんですよ。だから今は、そのカオスの中であえていろんなものを泳がせている。その流れを信じている感じ」

●そういう物をまとめていく作業、作っていく過程っていうのもすごく楽しいですよね。自然とまとまっていったりするのも面白いですし。俯瞰からどんどんクローズアップする作業というか。

「そうですよね。そういう形が一番、自分のやりたいことが結果になると思うし。変に筋書きを最初に書いちゃって、その通りにやらなきゃっていうのはつまんないと思うんで。出るものに任せて、自然と形になれば、それが一番自分の望む形なんだと思ってますけどね」


“来て良かった”って思ってもらえるようなライブを作りたい
 

●アルバムが完成してみないと、この夏に行われるツアーがどうなるか、わからないですよね。

「昨年は、“キリトのソロの第一弾を華やかに盛り上げようじゃないか”っていう感覚で、パーティー的な要素が強かったと思うんですよ。で、いろんな大御所の人たちがサポートしてくれた。でも今回のツアーに関しては、その空気感をガラッと変えようと思ってます。そのメンツありきでやっていくのは本来のソロではないので、1stツアーは1stツアーで完結させて、今回は本当の意味でのソロというか。サポートメンバーはもちろんつきますけど、もっとストイックに、昨年と同じ曲を演奏しているんだけど、全然別の曲に聴こえるような、まるで違うアレンジにしてしまうつもり。見せ方も変えるつもりだし。そういうことをキッチリやらないと、本来のソロではないと思っているんですよね」

●前回観た人にとっては、心を揺さぶるサプライズがありそうですね。

「良くも悪くもこういう性格なので、何をやるにしても躊躇がないんですね(笑)。自分の直感を信じていろいろ考えています。やっぱり、やってる人間に躊躇があったら観ているほうも不安だろうし、やってる人間としてはなんの迷いもなくやることで、観てる人がはじめて楽しめるんだろうと思うし。それは長年培ってきたものもありますし、不安はまったくないですね。チケットを買って、わざわざ来てくれるお客さんですから、どれだけ“来て良かったな”って思えるような驚きを与えられるかが大事だと思っているんですよ。ほかでは見たことのないようなステージ・パフォーマンス、演出、全部において、“来て良かった”って思ってもらえるようなライブを作りたいですからね。昨年と今年ではまた事情も違うので、昨年だったらできなかったことも、今年はできるって部分があるんで。いろんな驚きを用意するつもりだし、“なんでもアリだ”と思っているので、楽しみにしていてほしいですね」

 

これから本格的にソロ・アーティストとして歩み始めるキリト。音源だけでなく、ライブからも、彼のソロ活動に対する気迫を感じてほしい。
※このインタビューは、PIERROT解散発表前に行ったものです



シングル「TEAR」
発売中

2006年第1弾シングル。コアな前作「DOOR」から一転、「TEAR」は、一度聴けばいつまでも耳に残る心地よいポップナンバー。メロディラインのみならず、物事の表面だけでポジティブを語らない、キリト流の奥深い詞の世界にも注目してほしい。

avex trax¥1,050(税込)
※ジャケット写真は通常盤のものです


プロフィール/110W
キリト●
PIERROTのボーカリストとして、1998年、シングル「クリアスカイ」でメジャーデビュー。昨年2月にソロ活動を発表し、同年7月にシングル「DOOR」でソロデビューを果たす。今年3月には、2ndソロシングル「TEAR」を発表した。そして今夏には、2ndソロアルバムをリリース予定。
公式サイト[HP]http://www.neocycloid.jp/


インタビュー・文●大橋美貴子
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