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インタビュー

“観たい”と言ってくれる人がいるすべての街へ歌いに行きたい
2年8ヵ月ぶりとなるオリジナル・アルバム「Be as One」を引っさげ、現在全国ツアーを敢行中のゴスペラーズ。2004年にデビュー10周年を迎え、それを記念したベスト・アルバム「G1O」のリリース、そしてメンバー個々の活動などを経て彼らが完成させた今作には、ある意味グループとしてリセットした5人の“今”が凝縮されている。そんな新作と次なるステップへの幕開けを告げるツアーについて、メンバーの北山陽一、酒井雄二、安岡優に話を聞いた。



新たなスタートとしてアルバム作りに臨んだ

 

●オリジナル・アルバムとしては久しぶりのリリースとなった「Be as One」ですが、制作段階での方向性は?


安岡
「『G10』を引っさげてツアーをやったことで、最初の10年間の曲に対して“ひと回りした感”を強く感じて。新たなスタートとして、ある種、デビュー・アルバムを作るぐらいの気持ちで臨もうと思ったんです。デビュー・アルバムって“前作がこうだったから、次はこうしなきゃ”っていう前提がないわけで、そういうのを持たず、テーマを決めるのもやめて、まず、今書きたい曲や歌いたい曲をストレートにぶつけようと。そんな中で出てきた『一筋の軌跡』という曲を、“僕らが一歩目を踏み出すにはいいんじゃないか”ということで最初に作り上げて。アルバムが完成した時に、その『一筋の軌跡』の“一つになるのさ”という言葉が“アルバムのタイトルに相応しいんじゃないか”と思って『Be as One』とつけたんです」

●昨年、酒井さんは「ゴスペラッツ」での活動を経験されて、ゴスペラーズにおける意識に変化はありました?


酒井
「どちらもグループなんですけど、ゴスペラッツでは求められることが変わったり、“こう歌うものだ”と思っていた部分も違う形で発見できたり。それでゴスペラーズに帰ってきた時、ゴスペラーズでの活動が12年あって、“それがすべてだ”と思っていたところが1回ほぐれたという幸せな精神状態になれました」

●それが今回のアルバムには反映されていますか?


酒井
「これまで、グループのアイデンティティとして“こういうものを作り上げるのだ!”みたいな力作が続いていたんですけど、今回は力みがなく作れているというか。考えて、考えて…っていう部分が感じられず、自分たちで作った曲が集まってなんとか1枚になった1stアルバムの頃の感じがありますね」
     
北山   「レコーディングも、みんないい感じで肩の力が抜けて。それぞれの向き合い方で曲と対面しているんだけど、お互いにアイデアを出し合うこともあったり」

●楽曲もバラエティに富んでいて、いろいろなものがあるし、まさに“力みのない力作”ですね。


安岡
「ゴスペラーズらしい直球のラブバラードや、各々が持ち寄った“極端な味”も入っていて。曲調は様々だけど、それが“ゴスペラーズだから歌える”という表現として、うまくまとまったと思います」





お客さんとの一体感を全都道府県に届けます
 

●6月まで続く全国ツアーに関して、コンセプトはあるのでしょうか?


安岡
「今回のアルバムの流れから、“バック・トゥ・ベーシック”みたいなところをテーマにしています。“僕らがどういうところから歌い始めて、今、ここにいるのか”っていうのを紹介できるような構成になっているので、懐かしい曲もたくさん歌います。でも、初めて聴いた時にいいと思ってくれれば、それがその人にとっての新曲なので、初めての人もぜひ遊びに来てほしいと思っています」

●今回は、一昨年の号泣ツアー同様、全都道府県を巡るうえに、64公演というゴスペラーズ史上最多本数の長旅になるわけですが、ツアーへの意気込みは?


安岡
「号泣ツアーの時に全都道府県に届いたんだけど、でもそれで“すべてを回れた”という満足感にはならなかったんですね。やっぱり、“ゴスペラーズのライヴを観たい”って言ってくれる人がいる街にはすべて行きたいと思っていて。そこで新たな目標が生まれたというか。だから、今回も行ったことのない街にたくさん行くんです。“これからの10年で、いろんな街へ歌いに行くぞ”という気持ちが伝わればいいなと思います」
     
酒井   「お客さんとの一体感を全国に届けるという、“手間ひまかかったものをやるカッコよさ”を観せられたら、と思います」
     
北山   「テレビでしかゴスペラーズを観たことがない人は、 僕らがどんなパフォーマンスをするかっていうのは 想像がつかないと思うんですね。たとえば“意外に動き回っているな”とか(笑)。別に僕らはイリュージョンとかはしないんですけど、そのわりにはビックリ箱みたいなライヴになっていると思うんで、そのあたりは楽しみにしていただきたいです」

●今年はライヴ三昧ということで、最後に昨年をふり返っていただきつつ、今年の抱負をお願いします。


酒井
「昨年はゴスペラッツもあって、体が2つあるような感じですごく働いたので、今年は趣味を充実させたい。ツアー中に、デジカメで写真を撮ろうかと思っています」
     
北山   「昨年は、弓でいうならギリギリまで引っぱっていた状態。今年は、狙いを定めて矢を放つだけというところで、演者としても作家としても走っていけたらいいな、と思っています」
     
安岡   「昨年はレコーディングに時間を割くことができて、5人でいる時間が多かった1年だったと思います。この5人で作ったものを世界に届けられるように、“2007年のスタートは歌いまくり!”という感じです」
 

 すでに助走は万全の彼ら。今後、一層エネルギッシュに全国を駆け抜け、繰り広げられるそのステージは必見。美しく力強い、ハートウォームなコーラスワークで包まれる会場へ、ぜひアナタも!すでに助走は万全の彼ら。今後、一層エネルギッシュに全国を駆け抜け、繰り広げられるそのステージは必見。美しく力強い、ハートウォームなコーラスワークで包まれる会場へ、ぜひアナタも!


アルバム

photo 「Be as One」
発売中

「一筋の軌跡」「風をつかまえて」「Platinum Kiss」「陽のあたる坂道」のシングル4曲はもちろん、全米No.1ゴスペルシンガー カーク・フランクリンとのコラボレーションが実現し、彼のスタジオがあるアメリカ・ダラスでレコーディングした「Love has the power」ほか全14曲を収録。

KRE
初回限定盤(CD+DVD)¥3,360(税込)
通常盤(CD)¥3,059(税込)

プロフィール

ゴスペラーズ●(写真左上から時計回りに)安岡 優、酒井雄二、村上てつや、黒沢 薫、北山陽一。1994年にメジャー・デビュー。2000年に発売された「永遠に(とわ)」がロングセールスを記録し、人気に火がつく。2004年11月にはデビュー10周年記念ベスト・アルバム「G10」をリリースした。

URL

インタビュー・文●水白 京
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