ツアーがあったおかげでちょっとだけ強くなれた。
「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」などの人気アニメに出演する声優であり、'07年からは音楽活動を本格的にスタートさせた茅原実里。約1年ぶりとなるファン待望のニューアルバム『Parade』の発売に続いて、2ndライヴツアーも決定と、ますます順風満帆な彼女に、現在の率直な心情を聞いてみた。
●今回のアルバム『Parade』のコンセプトは、どういったものなのでしょうか?
「前作の『Contact』で茅原実里の音楽に出会ってくれた人たちと、今度は一緒に歩んでいきたいという気持ちが私の中であったので、音作りも有機的でぬくもりのあるものを目指しています。そこはデジタル色の強かった1枚目とは変化したところかもしれませんね。ジャケットのイメージからしても、愛の溢れるものにしたいなって」
●前作からの1年間で自分自身が成長したところもありますか?
「やっぱり、『Contact』発売後のツアーが大きかったですね。“茅原実里のツアー”は昔から描いていた夢ではあったけど、それを実現させるということがどういうことなのかとか、ライヴをすることの意味もあまりよく分かっていなかった。それをみんなが教えてくれましたね。本当にみんなに支えられたおかげで、ちゃんと最終公演まで走りきることができました。だから、今はちょっとだけ強くなれたと思います」
●今回のアルバム制作で大変だったことはありますか?
「強くなれたといっても、日々いろいろありますし、自分の足元を見失ってしまうような時期もあったんですね。そういう時に自分を見つめ直すきっかけを収録曲の歌詞から与えてもらうようなことがありました。作詞家の畑
亜貴さんと、こだまさおりさんも私のことをよく理解してくださってますし、そういう意味でも歌詞に助けられながらのレコーディングになりましたね」
●特に歌詞が印象に残っている曲を挙げるとしたら?
「アルバムのラストに収録されている『everlasting...』という曲です。これに出会った時は、もう大変でした! 今の自分をそのまま受け入れていいんだよって、抱き締めてもらっているような気持ちになりましたね。歌詞がぐさりと胸に刺さってきて、泣いてしまいまして、スタジオでも練習にならなかったぐらいです(笑)
●この『Parade』を引っ提げてのツアーも決定しました。今回はどんな内容にしたいですか?
「まだツアーの経験も1度しかないので、そんなにものすごいことをしようとは思っていないですね。もちろん、いいステージを見せなくちゃいけないというのはありつつも、あくまで私らしく、その瞬間のリアルな私のままで歌っていければいいのかなと思っています」
インタビュー・文●仲上佳克
「みんなどうやって曲順を決めているんだろう?」
いつも明るく、屈託のない笑顔が魅力的な茅原さん。今回の取材も終始なごやかな雰囲気で行われました。こちらの質問にもすべて丁寧に答えてくれて、その言葉からは歌にかける真摯な思いがひしひしと伝わってきます。アルバム『Parade』では歌い手としてだけではなく、制作の段階から本人が深く関わっているとのことで、楽曲の選定やジャケットのデザインでもかなり頭を悩ませたとか。その中でも特に難題となったのが……。
「曲順が一番悩みました。“みんなどうやって曲順を決めているんだろう?”って、本当に思いましたね(笑)。それこそ14曲もあったら何通りも組めるわけで、歌詞の内容とか、イントロ/アウトロのつながりとかいろいろ考え出したら、何がいいのか分からなくなっちゃう。感覚というか、自分の好みが一番いいんでしょうけど……。でも、美しい流れを考えて作ったつもりです!」。何気なく聴く曲順の裏側にも、こんな苦労があるんです。