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インタビュー
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空間の広がりと浮遊感を感じさせる、やわらかくてエモーショナルなグルーブが魅力のbonobos。じわじわ人気の高まりを見せる彼らが、待望のニューシングル「Beautiful」をリリースする。バンドの屋台骨として活躍するリズム隊の二人に、新作についての話を聞いた。
 

シングルと言うよりもミニミニアルバムと思ってほしい

--ニューシングル「Beautiful」を聞かせていただきました。4曲も入っていて、豪華ですね。

松井 「4曲収録したのは、起承転結のある力強い作品にしたかったからなんです。表題曲とカップリングが入った“アルバムに向けての先行シングル”という位置づけは避けたかったんですよ。シングルだけどタイトル曲以外もしっかりと聴いてほしいんです。ここに収められた曲は、すべて手塩にかけたものなので」
     
  「シングルにも全力投球したほうが、おもしろいんちゃうかなって思ってね。僕ら、今年に入って大阪から東京に越してきたんです。そのおかげで、これまで以上に共同プロデューサーである朝本浩文さんと濃密に作業ができました。『Beautiful』はもちろん、そのほかの曲も完成度は高いです。シングルと言うより、ミニミニアルバムと思ってください」。

--今作で新しく挑戦したことはありますか?

 辻 「初めて、曲を一曲提供しました。これが僕の新しい挑戦。3曲目の『東京暮らし』という曲です」

--提供したときのメンバーの反応はどのような感じだったのでしょうか?

 辻 「ちょっとちょっと! …ずいぶんとナイーブなところに触れてきますねぇ」
     
松井   「曲は祭(忠浩)君とコジロウ(佐々木康之)が基本的には作ってるんです。だから二人は、“こんなん作ったんやけど”って、スムーズにデモを出してきたんですよ。でも辻君は、それらを聞き終わって、さぁ、どうやってリリースに持っていこうかと、みんなが悩んでる頃に、“実は僕も…”みたいな感じで出してきてね(ニヤリ)。最終的にはポップな曲になったんですけど、最初はもっとニューソウル風のスイートな感じでしたね。これまでのbonobosにはないような」
     
  「いやー、照れます(照)。僕はまだ去年の1月に加入したんで、bonobosのメンバーになってまだ浅いんです。まぁ、だからというわけではないんですが、みんなと音楽の嗜好がちょっと違っているんですよ。そういう新しい風が吹き込めたらいいなぁと思ったんですよ。…もう、ホンマに汗かきますわ!」

--失礼いたしました(笑)。サウンド的にはいかがですか?

松井 「打ち込みを多用した過去の作品よりも、今回は生音に近い音作りにしています。バンド演奏をベースに、足りないところを打ち込みや編集で補うというスタンスですね」
     
  「エレクトリックな感じより、人間味を重視して作りましたね」

--プロデューサーの朝本さんとの作業は、どういった形で進んだんですか?

松井 松井「今回は、プリプロ段階からがっつりと絡んでもらいました。もうレコーディング中はメンバーみたいな感じです」
     
  「技術的なサポートはもちろん、バンド内で意見が分かれたときに、適切な意見を出してくれるんですよ。朝本さんが口を開くと、みんなが“なるほど!”とすごく納得ができるんですよ。まとめていく力がものすごいありますね。頼りになります、本当に。あと、僕は“頭で音楽を考えすぎや!”とか、よく怒られました(笑)。きびしい人でもありますね。でも、松井くんにはやさしいよな」
     
松井   「朝本さんとはすごく気が合うんですよ。メンバーは僕にきびしいので、いっつも朝本さんの後ろに隠れてます(笑)



メンバー全員、ライブがやりたくてたまらない

--6月からは全国ツアーがスタートしますね。このツアーに向けてのテーマなどはありますか?

「テーマやコンセプトはとくにないですね。ただ、去年の11月、うちの祭君が『FISHMANS presents“THE LONG SEASON REVUE”』というライブに出演したんです。そのときのボーカルには鬼気迫るものがあったんです。どうやってレベルアップしたのか不明なんですが、いま祭君はほんとすごいことになっているんです。ですから、楽しみにしていてください」
     
松井   「もちろん歌だけじゃなく、演奏のほうもね(笑)」
     
  「そりゃそうやね(笑)。それから、去年アルバム『electlyric』のツアーのあと、フジロックがあったんですが、その流れがすごくよかった。演るのも観るのも、どちらも楽しかった。ステージに立とうが客席から観ようが、場が楽しければそれでいいんだなぁとすごく思いました」
     
松井   「僕は以前、ライブにすごくプレッシャーを感じていて、ステージから降りるたびに、胃がキューンと痛くなってたんです。それが最近なくなったんですよね」

--それはまたどうしてですか?

家城 松井「辻君のおかげなんですよ。“いい演奏しなきゃ、いい演奏しなきゃ”と思いながらステージに立っていたんですが、ある日辻君を見ると、すっごい楽しそうな顔してドラム叩いているんです。それを見て、あぁ、あれでいいんだなって思ったんですよね」
     
  「オレ、アホみたいやないか!」

--いやいやいや、とってもいい話ですよ!

松井   「上手に力が抜けたというか、とてもいい緊張感の中でライブができるようになったんですよ。この頃は、メンバー全員、ライブがやりたくてたまらない状態。たとえば僕も、“いまここで演奏して!”と言われればすぐにやりますよ。そんぐらい楽しいんです」

--bonobosさんにとって、ライブとはいったいどういう存在なんですか?

「祭くんともよく話すんですが、レコーディングよりも大切にしているものですね。レコーディングは記録して形作るもの。やはりミュージシャンであるならば、ステージに立ったときが勝負だと思いたい。ライブでお客さんの心を掴んでナンボってところはありますよ」
     
松井   「僕もいろんな活動の中で一番好き。僕らが楽しくて盛り上がると、お客さんもそれを感じて盛り上がる。その盛り上がりを感じて、また僕たちも楽しくなる。そういういいムードが出来上がっていますね」

--なるほど、それでは最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。

 辻 「前回のツアーよりも、よりハッピーな時間が作れるようにがんばります!」
     
松井   「今回のツアーでは、行く先々で『からあげくん』を食べます。レッドが好きです」
     
  「ほんまやな!? あ、でも松井くん、ほんとよく『からあげくん』食べるよね」
     
松井   「好きなんで」

 
 ニューシングルへの自信、そしてツアーに向かうモチベーションの高さから、バンドの充実感がにじみ出る。当然、ツアーの盛り上がりもかつてないほどのいい空気、いい時間を生み出すに違いない。「各地で美味しいものを食べるのが楽しみ!」(辻)と語ってくれた彼らが届ける、極上のハッピーを会場で受け取ろう!
 




プロフィール

photo Beautiful
4/19[水]発売
ダブ・ポップバンドの本領が発揮されたタイトル曲は、美しいメロディラインと心地よいリズムが空間の広がりを感じさせる楽曲。スローテンポな流れの中、強く歌い上げられる愛のメッセージが心に染みる。ほか、ロマンティックな響きの「衛星」、ポップなサウンド展開が魅力の「東京暮らし」、タイトル曲のダブ・ミックスの全4曲で構成。

DRAMMUSIC
¥1260(税込)

プロフィール

ボノボ●(写真左から)辻 凡人(Dr)、蔡 忠浩(Vo&G)、佐々木康之(G)、松井 泉(Percussion)、森本夏子(B)。2003年10月、シングル「もうじき冬が来る」でメジャーデビュー。04年3月、1stアルバム「HOVER HOVER」を発売。昨今はフジロックなどの野外フェスに参加し好評を得る。

●公式サイト  http://www.bonobos.jp/



インタビュー・文●井上晶夫(effect)
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