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インタビュー

 今やコアなダンスフロアから全国のお茶の間まで、あらゆる層のリスナーから支持を獲得した感のあるAI。その人気の秘密は、その圧倒的なスキルを誇る歌唱力もさることながら、彼女自身の持つ人となりも大きな要因の1つだと常々思っていた。決して気どらず、時に大口を開けて笑いながらも、人一倍周りに気を配るその姿を実際に目の当たりにして、それは確信に変わった。間違いない。この人ほど深くリスナーのことを愛してる人はいない。
 来るべき新作とそれにともなうホールツアーはもちろん、LAのアートスクール時代の仲間との思い出も語ってもらった。

いつもまわりの人に助けられてきた 私はホントに人が大好き

●2006年の後半の山場は、やはり11月のホールツアーとなりそうですね。

「うん。7月のクラブツアーとは違って、ホールの場合はちゃんと作り込みをして、よりショーアップされた内容を目指してます。あとはもちろんコーラスやダンサーも入れたい!」

●前回はサウスブロンクス発の最新のダンスと言われてるクランプも披露してたのが印象的でした。

「うん。スゴくみんなに観てほしい人たちだったから。自分がスゴイって思ってる人は、ぜひみんなに紹介したいしね」

●ダンスと言えば、高校時代にLAで生活していた頃、自らダンスステップを披露することによって、まわりと打ち解けることができたそうですが。

「うん。やっぱりダンスってその人自身を表すものだと思うから。それこそしゃべるよりも踊ったほうがわかり合えるっていうか。LAのアートスクールにはダンス専攻で入学したんだけど、もう英語が大変だったのよ! しゃべるのはもちろん全然OKなの。ただリスニングは100点だけど、読み書きは0点みたいな(笑)。もう中学からは日本語しか使わなかったし」

●あら? それは意外でした。

「ちっちゃい時は“Mammy〜, I'm Hungry〜!”とか言ってたのに、なぜか恥ずかしくなるわけ(笑)。さらに学校に行きだすと、ミドルネームにカリーナってついてるもんだから“お前、英語しゃべれよ〜”とか言われたりするのが始まるわけよ(笑)」

●けしからんですねぇ。

「うふふ、けしからん(笑)。まぁ結局みんな仲良くなっちゃうんだけどね(笑)。でもそういうのもあって、向こうの学校でさっそく“D”をもらっちゃって。日本にいる頃から勉強は得意じゃなかったし、“Fよりいいんじゃん?”くらいのヘンな安心感があったのね。でも周りの友達は“You Gotta D〜〜!?”“もう、あり得ない!”って。てゆーかDを2回とったら学校を追い出されちゃうのよ! もうそれでいろんな子が協力してくれて。“明日から私たちが宿題全部見てあげるから出しなさい!”って。そもそも卒業できる生徒自体ホントに少なかったのね。だからみんな、なんとかこの子を助けてやろうって。そのみんなの気持ちにヤラれて…」

●それは頑張らないとマズイですね! 

「ねぇ!? ここで頑張らなかったらシャバイでしょ!?(笑)  で、補習のナイトスクールも行き始めてね。それで何とか卒業して…。ホントにまわりの人のおかげ。私は小っちゃい頃から、いつも人に助けられて…。だからホントに人が大好きなの!(笑)」

●(笑)ツアーでたくさん全国を回ることに関してはいかがですか?

「わたしのやることは一緒。いつも全力を尽くすだけ。でもね、さすがにぶっ続けでやっていると壊れるんですよ(苦笑)。でもね、やっぱりお客さんによって奇跡の力が出てくるの、ホントに(力説)。それがなくちゃやっていないと思う」


今のフィーリングは “どうなってるの?”って感じ

●ホールツアーの前には新作のリリースも予定されてると思いますが、そのフィーリングだけでも教えてもらえますか?

「う〜んフィーリングはですねぇ…“どうなってるの?”っていう感じかな(笑)。なんか最近曲を作っていると、自分でも意識しないうちに“問題”の話になるんだよね」

●問題とは?

「テレビのニュースを見ているとね、すごくいろいろなことを想像しちゃうの。“いったいなんでそういうことをするヤツがいるんだ?”とか、“この人たちの親はどんな人たちなんだろう”とか。いったいナニがイヤで、ナニを思ってそんなことをしたんだろうとか…もうそんなことばっかり。…でもね、そういった気持ちを直接言いたくはないのね。それは気付かせたくないっていうか。ちょっとでも悪いことをやりたいって思う人たちがいたとして、結果かえってそれを気付かせてしまうかも知れないって思ったり…。そういうことを直接言わないで、いろんな人に伝えられないかなってずっと考えてる」

●…シングル「Believe」の歌詞を書く際も、聴く人のあらゆるシチュエーションを想定して書くって言ってましたもんね。

「それはホント大事よ! 私の詞を読んで最悪になったっていう人がいたら、それこそ最悪だから!(笑)『Believe』ではね、“大丈夫だよ”ってことを言いたかったの。人をビッって(と何かを傷つける仕草をする)やらなくて大丈夫だからって。やっぱり人を安心させないといけないと思った。最近ちょっとヤバイような気がするんだよね。自分の曲も勝手に変わってきてるし(笑)。なんかわかんないけど運命っていうか、その前までは全然違う内容を考えてたのに、パッっとテレビをつけて“いま小学何年生が…”とか出てくると、もう“はぁ…わかりました”ってそれに従うみたいな。もちろんそれだけじゃないよ。そんなふうにいろんなことが重なって、自然に歌詞が変わっていくの。…って勝手に思っているだけなんだけどね(照笑)。私、宇宙人だしぃ〜(笑)」

●(笑)そんな“What's going on”な新作、楽しみにしてます!

「うん…ってアレ?  (その言葉)すでに聞いてました?」

●へ? いや、一連の話をうかがって、そんな感じなのかなぁと。

「(スタッフに)ばれたゾ〜(笑)」

●(笑)言っちゃまずかった…?

「いやいや。大事なキーワードってこと。でもそれはココだけの秘密ね(笑)」


 「ホントに人が大好きなの」。そう笑顔で語ってくれたAI。1971年リリースのマーヴィン・ゲイのアルバム「WHAT'S GOING ON」において歌われた、&“戦争”&“環境汚染”&“子供たちの未来”といったテーマは、21世紀の現在、皮肉にもさらに切実なものとなっている。待望のニューシングル「I Wanna Know」を9月6日にリリースした後、11月に開幕するツアーでは、ぜひ力強く熱いレスポンスをステージ上に返してほしい。まさにそれこそが彼女のパワーの源となるのだから。

プロフィール

あい●アメリカ生まれ。2000年にシングル「Cry,Just Cry」にてデビュー。05年7月リリースのシングル「Story」が大ヒット。同年末には紅白歌合戦に初出場を果たした。

公式HP http://www.universal-music.co.jp/ai/

シングルレビュー

Believe
発売中

前作「Story」より約11ヵ月ぶりのニューシングルは、AI渾身の全方位型の包容力を持つ壮大なバラードナンバー。作詞・作曲はAI自身が担当。ピアノとストリングスがメインの音数を抑えたアレンジも印象的。

ユニバーサルミュージック
¥1,400(税込)
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