小澤と若手の新生コラボレーションで魅せる、最高傑作の喜歌劇「こうもり」。
小澤征爾がオペラを通じて若手音楽家を育成することを目的に開始された「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト」。恩師であるカラヤンの言葉「交響曲とオペラは、音楽という車の両輪のようなもの」を持論とする彼が、その実践の場として年に一度開催される新しい試みである。その特徴のひとつであるのが、オーケストラと合唱団は10歳代後半から20歳代前半を中心にオーディションや勉強会などを通じて選考されること。
そんな夢にあふれるこのプロジェクトが今年も開催。今回は2003年にも観客の心を揺さぶったJ.シュトラウスU世の喜歌劇「こうもり」。2000年より始まったこの音楽塾も更に円熟、進化を遂げる今回は一体どんな感動が待っているのか?!
アイゼンシュタインの美しい妻ロザリンデには実力も美貌も申し分ないアンドレア・ロスト、この茶番劇の舞台となる大豪邸の主オルロフスキーにはキャサリン・ゴールドナーを迎え、演出は小澤と名コンビであるデイヴィッド・ニースが担当。小澤征爾、自らが指揮をとり若手音楽家たちと奏でる美しい旋律と世界の名歌手たちによる楽しいオペレッタ(喜歌劇)が、今、軽快にあなたの心に働きかけます。
【第1幕】
裕福に暮らすアイゼンシュタインは公務員を侮辱した罪で、今夜から短期間だけ拘置所に入らなければならない。やって来た友人のファルケ博士は拘置所に行く前にロシアの大貴族オルロフスキー公邸での夜会へ気晴らしに行こうと誘う。アイゼンシュタインは妻のロザリンデには拘置所へ行くと言いながら、張りきって夜会に出かけてしまった。
妻ロザリンデのところには元恋人のアルフレートがやってきて、まるで本当に夫のように振舞う。そこにアイゼンシュタインを迎えに刑務所長のフランクがやって来て、今更夫ではないと言えずにいたアルフレートは拘置所に連行される。
【第2幕】
夜会の会場ではファルケ博士がアイゼンシュタインへの復讐を企んでいた。かつて、アイゼンシュタインは蝶に、ファルケ博士がこうもりに扮した仮面舞踏会の帰り、酔っ払ったファルケ博士をこうもり姿のまま道端に置き去りにして帰ってしまった。その姿を皆に見られて以来「こうもり博士」と呼ばれていて、アイゼンシュタインを怨んでいた。
さて、アイゼンシュタインが夜会へ来てみると、なぜか自分の家の女中アデーレに似た女性がいる。一方で彼は仮面を付けた美しい夫人に一目惚れし懐中時計を出して口説こうとする。実はこの夫人の正体は、彼の妻のロザリンデ。ロザリンデはその懐中時計を奪い、これが後に決定的な証拠となる。
【第3幕】
夜会の後アイゼンシュタインは拘置所にやって来たが、自分が入るはずの場所には既に見知らぬ男が入っていた。ロザリンデの夫のように振舞っていた、元恋人アルフレートだ。驚いたアイゼンシュタインはこの事態を伺うために弁護士になりすます。弁護士になりすました彼の元へ、ロザリンデが本当の夫を目の前に、夫について相談しに来た。アイゼンシュタインは激怒し、正体を明かして妻を責める。しかしそこで妻は夜会で奪った懐中時計を出し、夫をぎゃふんと言わせた。
そこにファルケ博士が、オルロフスキーや夜会の参加者を全て連れて現われる。そして今までのことは全て自分が仕組んだことだったと打ち明けるのだった。