『スウィング!』の見どころは、楽器を演奏するパフォーマー陣とダンサーたちが互いに息の合ったコラボレーションを繰り広げることで、単なるミュージカルの枠にとどまらない圧巻のステージングを見せる点。夏の公演に先駆けて来日したマーク・エックスタイン、アデアラーニ・マリア(共にダンサー)、そしてランディー・シェイン(ヴォーカル)に、キャスト側から見たこの公演ならではの面白さと、舞台の裏側について聞いた。
思わず踊りだしたくなるのがスウィング・ジャズの魅力
●若い世代のあなたたちにとって、スウィング・ジャズのどういった点が好きですか?
マーク 僕にとってはポップスやロックより強いメッセージをもっているところが魅力だね。元々は'30年代に戦争や人種差別といった土壌から生まれ、その後黒人と白人が一緒に作っていった音楽だから、喜びや愛など全てが詰まっているんだよ。
アデアラーニ 私は以前はクラシックバレエを踊っていたんだけど、『スウィング!』のスウィング・ダンスは枠にはまらないで踊れるという点で正反対だし、そこがいいわ。私にとっては思わず踊りだしたくなってしまう、一番楽しいと感じられるのがスウィング・ダンスなの。
ランディー “若い世代”ですって!? 嬉しい言葉だわ(笑)。でも私自身は子どもの頃から家でスウィング・ジャズが流れていたせいか、今はやりのポップスにはあまり馴染まないと感じているの。だから'30〜'40年代に実際に聴いて過ごした方だけでなく、今の自分だって“スウィング世代”といっていいんじゃないかしら。
ミュージシャンとダンサー、そして観客が一体となって…
●舞台は2時間を通して40曲ほどの名曲が次々に登場しますが、ステージはどう展開していくのですか?
マーク ミュージカルといっても1人の主人公の物語ではなく、複数の登場人物たちが互いに関係し合いながら話が進んでいくんだ。舞台上にはミュージシャンもいて、さまざまな形で僕らダンサーと掛け合いもするんだよ。
アデアラーニ 中でも大きな見どころは、カップル・ダンスね。演出と振付はブロードウェイミュージカルや映画『フットルース』の振付、それにアメリカン・バレエ・シアターにバレエ作品も提供しているリン・テイラー・コルベットで、人間の素顔や生き方、それにリズムが伝わるような踊りなの。
ランディー 個人的には、最後のほうで私たちヴォーカル4人が並んで歌うシーンもおすすめ。物語のテーマを暗示しているような、情緒たっぷりな場面よ。
マーク そしてフィナーレは「シング・シング・シング!」。これは客席も巻き込んで、盛り上がるよ!
●では最後に、再来日を楽しみにしているお客様にメッセージを。
ランディー 日本のお客様は静かだというけれど、先日のPRイベントでのステージでは熱い反応をすごく感じたわ。だから夏の公演も楽しみにしています。
アデアラーニ この作品を観ていただくことで同じ時間を共有できるのが楽しみ。ぜひ劇場でお会いしましょう!
マーク 愛情と情熱というスウィングが持つ“JOY”を、ぜひ一緒に楽しんで!
インタビュー・文●佐藤さくら 撮影●柴田ひろあき
マーク・エックスタイン(中)
アメリカン・リンディ・ホップ大会で2度優勝経験があるほか、『キャッツ』など出演作多数。カップルダンスの世界的インストラクターでもある。
アデアラーニ・マリア(左)
ハワイ生まれの日系3世。コロラド・バレエを経て『スウィング!』のオーディションに合格、メインキャストに。前回の日本公演でも一番人気を誇った。
ランディー・シェイン(右)
初めはダンサーとして『スウィング!』に参加、ほとんどすべての女性役を演じる。その後、ヴォーカルに転身。そのほか、米国全土での出演作も多い。