今日という日を胸に刻み
未来に向けてさらにはばたく
'06年春の結成以降、アコースティックユニットとロックバンド、2つの形態でライヴを行なってきたアクリルスタッブ。その集大成とも言える『ファーストワンマンライブ−思考する回路−』が7/29、原宿アストロホールで開催された。ゲートが開かれると、続々とオーディエンスが場内に押し寄せた。その数は、ヴォーカル・ウユがライヴ中、「あれ、今日は火曜日だよね?
金曜日と間違ってないよね? 平日なのにこの人数はおかしい!(笑)」と語るほど! 本当に多くのファンがこの日を心待ちにしていたのだろう。
午後8時を過ぎた頃、本編がスタート。ステージ上に用意されたスクリーンには、モノクロの空とうごめく雲が映し出され、それが2人の旅路をイメージさせる。やがて、ギターの阿部隆大と、ベース、ドラム、キーボードのサポートメンバーが登場し、大地を揺さぶるような芯のず太いドラムのリズムに合わせて、1曲目「ELEVATED」のイントロが始まった。そこにウユが元気よく飛び出し、小柄な体型からは想像もできないパワフルな歌声でオーディエンスを歓喜させる。アルバム制作やツアーなどで多くの時間を共有したというサポートメンバーたちとの息もぴったりだ。
中盤には、アコースティック形態でのパフォーマンスも披露。路上でしか演奏したことがないという2人の思い出の曲「view」をはじめ、バンドサウンドとは一味違う、語りかけるような叙情的な3曲が会場を包み込む。その後、再びバンド形態に戻ってからは、ラウドなギターサウンドが特徴の「震源地」や、ピアノの美しい旋律と感情的なヴォーカルでオーディエンスを引き込むミディアムバラード「月はエメラルド」などを披露。幅広い表現力を見せつけた。そしてアンコールで、遠く北海道の地にいる父親に宛てたメッセージソング「ひまわりをキミに」を歌い上げた瞬間、ウユの目には涙がこみあげていた。
「ライヴは成功したけれど、課題もまだまだある。あれもやりたかった、これもやりたかった。だからさらに成長した姿でワンマンをやりたい!」とライヴの終了後に語られた阿部の一言からは、この日をゴールとするのではなく、スタートラインとする彼女たちの意気込みがヒシヒシと伝わってきた。今後も、上を目指してはばたき続ける2人の旅路を見守っていきたい。
文●村上広大(effect)